9回表の日本ハムバッテリーについてスポットを当てたい。この回から登板した石川直は、1番佐野に安打を許し、2番桑原の犠打で1死二塁で3番蝦名を迎えた。ここで蝦名を打ち取れば、次打者の4番牧と勝負しても、牧を歩かせて5番宮崎と勝負しても、1人アウトにすればスリーアウトになる。ところが、蝦名を歩かせると、牧と宮崎の2人と勝負しなければならない。だから、必ず蝦名と勝負しなければならない場面だった。

日本ハムバッテリーは蝦名に対して初球にフォーク、2球目にフォークでカウント2－0になった。そこから3－2までいったが、結局歩かせた。真っすぐで押すのではなく、かわす投球で四球になり、主導権をにぎれず、後手後手に回ってしまった。これが最終的に失点につながった。

フォークはストライクを取る球種ではなく、2球続けて投じ、見逃された。もしかしたらバッテリーは歩かせることも頭にあったかもしれないが、あそこは蝦名に一塁を使わせてはいけない。石川直がストライクを一番取れるボールは直球。もっと直球で押し込んでほしかった。（日刊スポーツ評論家）