上位争いをする巨人との3連戦、内容はともかく、2勝1敗と勝ち越した結果が何よりの収穫となった。

主力が復帰してきた中で大盛や矢野、出場選手登録を抹消された羽月を含めた若手野手は十分に戦力となることをアピールした。戦力に厚みがなければシーズンを戦い抜けない。残り22試合となった中で、明るい材料のひとつといえるだろう。

一方で若手先発陣にはもっと変わり身を期待したい。特にこの日先発の大道は、1軍昇格から登板3試合目だっただけに、真価が問われた。結果は4回4失点。前回21日DeNA戦で3本塁打すべて直球だったからか、この日は初球を変化球で入るなど球種の割合を変えた。工夫や意図は見えたが、内容的に見れば厳しいと言わざるをえない。彼の持ち味はかわす投球ではない。自信を持って投げ切れていない姿に見えた。選手として、結果が欲しいのは理解できる。ただ、仮にこの日の投球で結果が出ていても、次につながっていただろうか。持ち味の直球をしっかりと投げ切り、抑えてこそ、投手としての自信となっていく。

結果ゼロに抑えた中継ぎ陣も、これだけ登板数を与えられても個々が同じ課題を残しているように感じる。残り試合投手陣はフル回転していかなければいけない。自信を深める場所はマウンドでしかない。【日刊スポーツ評論家】

広島対巨人 広島先発の大道(撮影・加藤孝規)
広島対巨人 広島先発の大道(撮影・加藤孝規)
広島対巨人 1回表巨人2死一塁、岡本和(奥)に適時二塁打を浴びる大道(撮影・河田真司)
広島対巨人 1回表巨人2死一塁、岡本和(奥)に適時二塁打を浴びる大道(撮影・河田真司)