広島は中20日での先発となった大瀬良大地が投球と、その姿で周囲を安心させた。

体調面や疲労から本来の投球ができず、自分自身を見つめ直して戻ってきた。DeNAに対し、1巡目は力のある真っすぐで押し、2巡目はフォークを早いカウントから使った。今季あまり使っていなかった縦の変化が効果的だった。会沢とのバッテリーで各打者に対し、しっかりと準備した成果が見てとれた。

安打は打たれても連打はなく、ほとんどは単打にとどめた。味方が先制した直後の7回は特に力のある球を投げ切っていた。連敗中のチーム状況もあり、プレッシャーは大きかったと思う。それでも、そういった姿は見せずに投げる姿が印象的だった。それだけの経験をしてきた投手だということを自ら示した

今年の広島は「先発が試合をつくり、1点ずつ奪う野球」と再認識できた試合ではないか。気になる点は、発熱から復帰した3番秋山の状態。この日1、2番がいい形でつないだ流れを止めていた。残り20試合を切った。序盤からスクイズをしかけてもいいし、先発起用した選手でも試合中盤で代打を送っても構わない。選手の調子が上がるのを待つ時間はもうない。臨機応変に動かなければチャンスは広がらない。残り18試合は短期決戦のつもりで戦わなければいけない。【日刊スポーツ評論家】