オリックスにとって、この西武戦の勝利はかなり大きな1勝になった。

ここからはリリーフ陣が鍵を握る。椋木が2回途中で降板したが、宇田川が2回2/3を無安打無失点で役目を果たし、8人継投で勝ち抜いた。これは1勝以上の弾みをチームに与えたことになる。

仮に優勝ラインを75勝とする。現在首位のソフトバンクを軸にすると、残り20試合を11勝9敗で届く。西武は15試合で9勝6敗、オリックスは15試合で8勝7敗。楽天は19試合で13勝6敗。数字からはオリックスが若干有利になった。

ソフトバンクは10日から正念場の11連戦が始まる。シンプルに5割以上が求められる。そしてこの連戦中に2度、順調ならばオリックス山本と対戦する。そうそう得点は望めない投手だけに、ソフトバンクには試練となる。

反対にオリックスからすれば、エース山本での必勝が条件になるが、今後の日程面から山本は残り2回から3回の先発が見込める。山本でソフトバンクをたたければ、大きく前進することができる。

日ごとに状況は変化する中で、チームの浮沈はリリーフにかかる。オリックスには、この日ゼロ封リレーをみせたブルペン陣、西武は終盤に来て平良が戻ってきた。楽天にはブセニッツ、安楽、宋家豪、西口などがそろう。そしてソフトバンクはモイネロ、藤井、嘉弥真、津森、松本など枚数が充実している。

リリーフ事情を加味すると、ソフトバンクは負けている試合でも中継ぎ陣を投入し逆転を狙える。ヤクルト村上のように、打者1人の力で試合を動かすような絶対的打者はパには見当たらない。試合の終わらせ方が、ペナントを占う上で非常に重要になる。

マラソンで言えば残り1キロで3者が並走。100メートル離れて楽天が追う。先頭集団の背中が見えている楽天を含めた4球団によって、フィナーレへ向けた最後のスパートに入る。(日刊スポーツ評論家)

西武対オリックス 2回裏西武1死一塁の場面で登板した宇田川(撮影・浅見桂子)
西武対オリックス 2回裏西武1死一塁の場面で登板した宇田川(撮影・浅見桂子)
西武対オリックス 5回裏西武の攻撃で登板したK-鈴木(撮影・浅見桂子)
西武対オリックス 5回裏西武の攻撃で登板したK-鈴木(撮影・浅見桂子)
西武対オリックス 5回裏西武2死一塁の場面で登板した吉田凌(撮影・浅見桂子)
西武対オリックス 5回裏西武2死一塁の場面で登板した吉田凌(撮影・浅見桂子)
西武対オリックス 6回裏西武の攻撃で登板した小木田(撮影・浅見桂子)
西武対オリックス 6回裏西武の攻撃で登板した小木田(撮影・浅見桂子)
西武対オリックス 7回裏西武の攻撃で登板した阿部(撮影・浅見桂子)
西武対オリックス 7回裏西武の攻撃で登板した阿部(撮影・浅見桂子)
西武対オリックス 8回裏西武の攻撃を抑えたワゲスパック(撮影・浅見桂子)
西武対オリックス 8回裏西武の攻撃を抑えたワゲスパック(撮影・浅見桂子)
西武対オリックス 9回裏西武の攻撃を抑えた平野佳(右)は笑顔で伏見と握手(撮影・浅見桂子)
西武対オリックス 9回裏西武の攻撃を抑えた平野佳(右)は笑顔で伏見と握手(撮影・浅見桂子)