ヤクルトは優勝へのラストスパートに入っている。

巨人は阪神、広島と激しい3位争いの真っ最中。息のつけない好試合を予想したが、巨人の岡本和、ポランコの1発攻勢以外の得点は記録に表れないミスが重なった。試合終盤に山田、吉川の両セカンドが素晴らしいプレーを見せていただけに、余計に外国人選手の球際の弱さが目についた。

初回ヤクルトの先制の場面では、先頭塩見の打球を右翼ポランコがグラブに当てながら落とした。ポランコは8回にもオスナの右翼への当たりを、グラブに入れながらこぼし三塁打にしている。

一方のヤクルトも痛いミスがあった。3回、1点差に迫られなお1死二塁のピンチ。中田の三ゴロを村上がはじき、これをショート長岡が素早くカバーして一塁はアウトとなった。ここまでは良かったが、なぜか一塁手のオスナが間に合いもしない三塁へ投げ、送球が走者丸に当たった。ボールがレフト前に転がる間に勝ち越しを許した。

記録はオスナに失策がついただけだが、要所でのミスはかなり目についた。表現は悪いが「ミス合戦」とも言えるほどだった。巨人は勝ったからいいが、この危なっかしさは今後も覚悟しないといけないだろう。

ポランコ、ウォーカーともに、守備には弱点があるのを承知で使っている。2人で47発の長打力を優先しているのだから、そこは覚悟の上で残り試合を戦うしかない。特に巨人に言えることだが、ここからの戦いは1点取ることも大事だが、1点をやらないことが大事。両翼にもろさを抱えているが、せめて追いついた打球は確実にアウトにする。基本的な部分を徹底するしかないだろう。

ヤクルトの優勝は堅い。だが、CSを控えている。短期決戦では、この試合でのオスナのようなボーンヘッドは絶対にやってはいけない。まだまだ高い緊張感を維持しながら、きっちりと締まった試合が求められる。(日刊スポーツ評論家)

巨人対ヤクルト 3回裏巨人1死二、三塁、中田(左)を遊ゴロとするも、三塁へ悪送球する一塁手オスナ(撮影・江口和貴)
巨人対ヤクルト 3回裏巨人1死二、三塁、中田(左)を遊ゴロとするも、三塁へ悪送球する一塁手オスナ(撮影・江口和貴)