日本ハムは高卒ルーキー3人がプロ初登板を果たしたが、共通して感じたことは自分の持ち味を出していたこと。誰かしらは、持っているものを出せずに終わってしまうと思ったが、少し驚きの投球だった。

先発した達は、しなやかな腕の振りで、伸びのある直球が持ち味。上背があり角度もあるし、これから球速が出てくることを考えれば、本当にスケールの大きな投手になると感じた。フィジカル面はこれから上がっていく中で、大きく緊張することもなく、マウンドでの雰囲気、姿に大器の片りんを見た。

特徴は肘から先をうまく使えるので、直球は打者の手元で一番スピンが効いているような球を投げられるし、変化球も打者寄りで投げられる。これは打者にとって非常に嫌な部分で、このまま大きく変えることなく、しっかり成長していけば、投手陣を支えられる投手になると感じた。

2番手の畔柳は、そこまで体は大きくないが全身を使って投げる球は威力十分。直球待ちの相手打者を直球で振り遅れのファウルにできていた。中継ぎの適性が非常に高いと思うし、1イニング限定で投げていけば、高卒ルーキー3人の中では一番早く1軍に出てくると感じている。

1イニングとはいえ、あれだけ出力を高く投げられるのはプロの中でもそうはいない。長いイニングとなると課題が出てくるかもしれないが、彼の特性を生かすべく1イニング限定でしっかり経験を積ませていけば、救援陣を支える1人になると思う。

3番手の松浦には驚かされた。左腕であれだけ強い球を投げられる投手は、球界を探してもそんなにいない。ポテンシャルの高さを感じた。失点はしてしまったが、失点したことよりも将来的な魅力を感じさせる1イニングだった。変化球の制球など課題はあるが、一番の持ち味である直球をしっかりストライクゾーンに投げることができれば、とんでもない投手になれる可能性を感じた。

変化球のストライクが入らなかったことに関して、「変化球を磨かなくては」と思ってほしくない。あの直球があるなら、まず直球をしっかりストライクゾーンに行ければ、いい投手になっていける。(日刊スポーツ評論家)

日本ハム対楽天 3回を無失点に抑える日本ハム先発の達(撮影・黒川智章)
日本ハム対楽天 3回を無失点に抑える日本ハム先発の達(撮影・黒川智章)
日本ハム対楽天 4回に登板し無失点に抑える畔柳(撮影・黒川智章)
日本ハム対楽天 4回に登板し無失点に抑える畔柳(撮影・黒川智章)