オリックスがソフトバンクが繰り出した決死の継投を振り切った。9回に3番中川がソフトバンクの抑えモイネロから、左前にはじき返してサヨナラ勝ちを収めた。

モイネロは連投、8回に登板した藤井は3連投で疲労感はありありだった。追いかける展開であっても投げざるを得ない点で、オリックスとはかなり状況が違った。

オリックスはリーグ優勝による1勝のアドバンテージが与られ、CSファイナル初戦から、山本、宮城を立てて、早々と日本シリーズ進出に王手をかけることができた。

この日の一戦は、山岡の後を受けた宇田川、山崎颯が2イニングずつを投げた。中嶋監督にすれば、同点でも勝ち上がることができるため、12回から逆算しての継投だった。

一方、ファイナルステージを振り返ったとき、ソフトバンクは前日14日に千賀を7回途中降板、リリーフをつないで逃げ切らなくてはいけなかったのは誤算だった。

また攻撃は3回、福田がソフトバンク和田に計11球を投げさせたのはポイントになった。カウント1－2からの5球目の直前、長い間合いもあって福田がとっさにタイムを求めた場面だ。

タイミング的に球審は認めるべきではなかったのではないかとも思ったし、和田－甲斐のバッテリーにはリズムを狂わされたタイムになった。

福田は粘った末に一失で出塁も、得点には至らなかった。だが続く4回に中川圭が左前打、続く吉田正が中越え2ランだから、その前の3回の福田のパフォーマンスが影響を及ぼしたといえた。

昨年と同じカードになった日本シリーズは、昨年以上に注目される。1、2戦は投手戦が予想されるが、ヤクルト村上の前に走者をためないことだ。最低でも2試合投げるチャンスがあるエース山本で勝って勢いに乗りたい。

（日刊スポーツ評論家）