現役時代は阪神一筋22年、4番や代打の神様として活躍した日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏(53)が、伝統の一戦をチェック。復帰マウンドで完封勝ちを決めた伊藤将司投手(26)を絶賛し、阪神V争いへの展望を語りました。【聞き手=松井清員】
◇ ◇ ◇
1年間でもなかなかない完勝、しかも伝統の一戦ということで、ファンの方もすっきりしたんじゃないですか。ヒーローは伊藤将に尽きますね。復帰初戦とは思えないほど完璧で、付け入るスキを与えなかった。真っすぐと変化球のキレ、コントロールが抜群。右を6人並べた巨人打線に的を絞らせず、まともなスイングを許しませんでした。
右打者は膝元に食い込む真っすぐやカットボールに目付けをさせ、最後は外にチェンジアップ系の落ちる球を打たせる。逆もありました。外のチェンジアップ系に目付けさせ、最後は内角にズドンと突っ込んで見逃し三振。打者は内か外か、何を狙っていいか分からないところで、カーブでもカウントを取ったりする。良さを引き出したのは先制打も放って援護した坂本で、応えた伊藤将とのバッテリーの勝利だと思います。
あらためて阪神投手陣の層の厚さを感じます。青柳が調子を落として西純が降格。本来なら開幕ローテの2人が苦しんで大変なところに、村上が出てきて伊藤将が復活。先発が不安定な巨人との明暗を感じますし、巨人の力が安定しないと、ペナントレースも今年のような混戦になりますね。
そのセ・リーグはDeNAが少し抜け出しかかっています。昨年から強力打線にしぶとさが出て、ホームでもめっぽう強い。一気に走られると止められなくなるので、阪神は食らいついていかないといけません。攻撃陣はDeNAが上ですが、投手陣は阪神が上。湯浅や浜地らが帰ってくれば勝ち方が安定するので、それまでは我慢の戦いです。
低調だった打線も、この2試合で佐藤輝と大山に1発が出てノイジーも2安打。近本と中野が当たっているだけに、中軸が打てばしっかりした戦いができる。DeNAを走らせないためにも、この日の大勝をきっかけにしたいところです。(日刊スポーツ評論家)




