阪神が中日に完勝し、6カードぶりのカード勝ち越しを決めた。阪神元監督で日刊スポーツ評論家の真弓明信氏(69)は4安打した中野拓夢内野手(27)の「足」を評価した。
◇ ◇ ◇
4安打とバットで貢献した中野だが、試合の流れをもってきたのは3回の盗塁だ。ノーアウトで出塁し、確率的に80~90%は成功すると思って、スタートを切っている。この盗塁は、3番起用の渡辺諒に好影響を与えた。無死一塁では、ゲッツーがある。コース、球種を気にしながら打席に立ち、内野ゴロは打ってはいけないと制約が多くなる。無死二塁になったことで、ある程度、自由に打てるようになった。その結果が引っ張っての左前打。無死一、三塁で大山は併殺打を放ち、最低限の追加点を挙げたが、得点の形をつくったのは、中野の役割が大きい。
盗塁効果は5回にも見受けられた。1死一塁で中日松葉は一塁走者の中野を警戒し、何度もけん制をしていた。走られまいとクイック投球すれば、抑えが利かず、球は浮きがちになる。そこを渡辺諒が逃さずに2ランとした。
一時は調子を落としていた1番近本とのコンビだが、2人ともヒットが出始めている。4、5月のように1、2番が出塁すれば、クリーンアップがバットに当てさえすれば、1点入るという状況が増えるだろう。
そういう点では大山の打撃が気にかかる。1回1死二、三塁で、ストライクゾーンを外れた外角チェンジアップで空振り三振。この場面は追い込まれていたし、何としてもバットに当てないといけない。7回の左翼線へのタイムリー二塁打は、あまりいい打ち方ではなかった。調子のいい打者というのは、余裕があるため、ボールに対し、バットを下から持ち上げるように打つ傾向に陥りがちだ。これでは打球が上がらず、ゴロが増える。7回の打球はドライブがかかっていたのはそういうことだ。最短距離の軌道でバットを上から出せば、打球は上がる。ここから調子を下げることもあるので、注意が必要だ。




