デーゲームで先に2位広島と4位巨人が勝ち、DeNAは絶対に負けられなかった。投手陣が0でつなぎ、9回に代打大田が1発。大きな1勝となった。だが、結果は結果として、どうしても首をひねることがあった。先発オーダーに宮崎の名前がなかったことだ。

首位打者が、なぜ絶対に負けられない試合でベンチスタートなのか? 理由を探してみた。不調かというと、前日まで7試合連続安打を放っており、むしろ調子はいい。相手先発と相性が悪いかというと、阪神村上にはここまで9打数5安打1本塁打と、むしろ得意にしている。どこか痛めたかというと、ベンチ入りはしており、そのような様子は見受けられなかった。

考えられるのは、この日は7連戦の6試合目で、かつ移動ゲーム。体への負担を減らすため、当初のプラン通りだったということだ。チームとしてスケジュール管理しているのだろう。それしか理由が見当たらなかった。そして、そのことに私は違和感を覚えた。

代わりに同等の力を持った選手がいるなら理解できる。また、もう少し早い時期なら理解できる。どちらも当てはまらない。最終コーナーを回り一番の踏ん張りどころ。優勝はなくなったが、CSがある以上、次の目標である2位へ向け、むしろムチを入れる時期だ。宮崎は34歳。確かに若くはないし体の事情があるとしても、このような起用をされるのは、まだ早いと感じる。同い年の巨人坂本も7連戦中だが、この日も頭から出場していた。

宮崎は7回表2死一、二塁に代打で右前打。このことからも状態の良さがうかがえただけに、なおさら違和感が募った。チャンスで代打もプラン通りなのだろうが、もし5番に入れておけば上向きのソトが6番に入り、もっと楽に勝てたかもしれない。さらに首をひねったのは、宮崎が裏から三塁守備に就いたことだ。負担軽減のためのベンチスタートであれば、代打だけで引っ込めればよかった。それなら、まだ分かる。途中から守るなら最初から守らせればいい。私の経験上、6イニングの守備と2、3打席を減らしても、大差はない。負担減の狙いと実際の起用に矛盾を感じた。

私が古くさいのかもしれないが、自分のプロ野球人生を振り返っても疑問が拭えず、あえて指摘させてもらった。残り11試合。厳しい戦いが続くが、CS出場へ全員で頑張って欲しい。言うまでもなく、宮崎の力は欠かせない。(日刊スポーツ評論家)

阪神対DeNA 岡田監督(中央)は勝利して喜ぶDeNAナインを見つめる(撮影・上田博志)
阪神対DeNA 岡田監督(中央)は勝利して喜ぶDeNAナインを見つめる(撮影・上田博志)