2連敗していたDeNAを救ったのが、左太もも裏を肉離れして戦列を離れていたエースの東克樹投手(28)だった。
正直、肉離れの常習者だった私の経験で振り返るなら、復帰までは通常1カ月はかかる。信じられないような回復力は、それだけでも称賛に値するが、投球内容もエースらしい素晴らしい内容だった。
初回に1点の先制点をプレゼントしてもらったが、その後はつらい道のりだった。先制した直後だった。1死一、二塁で迎えた打者は4番の山川。カウント1-2に追い込んだ後、外角低めの真っすぐでショートゴロを打たせた。マウンドの東は、併殺を確信したと思う。しかし捕球した森敬がボールを落とし、二塁はアウトになったが一塁はセーフ。無得点に抑えたはずが、5番の近藤を迎える展開になってしまった。
近藤がどういうバッターなのか、今更説明の必要はないだろう。痛みがあるかは分からないが、久しぶりの登板でもある。せっかく先取点をもらっただけに、余計に点を与えたくない気持ちも強かったはず。先発投手が苦しくなるすべての条件がそろっていた。そしてフルカウントから少し甘く入ったチェンジアップを左中間に同点タイムリーを打たれた。
しかしこの後の投球は見事と言うしかない。今宮を空振り三振に打ち取り追加点を食い止めると、強力ソフトバンク打線に丁寧なピッチングで、粘り強さを見せた。味方打線は3回と4回に無死一、二塁というチャンスを作りながら無得点。ダメな投手は気落ちして集中力を欠いたり、イライラしてリズムを乱したりするが、そんなそぶりはまったくない。むしろ、いい投手はこういう展開で「しっかり抑えていかないといけない」と気を引き締めて投げられる。初回から毎回安打を許しながら、持ち味でもある制球力で無四球ピッチング。2回以降は7回まで無失点に抑えていった。
この勝利の最大の立役者は東だが、もう少し負担を減らしてやりたかった。7回を投げて105球だが、3回無死一、二塁から梶原が送りバントを決められず、最後はワンバウンドするスプリットを空振り三振。4回1死二、三塁からは戸柱が初球の低めスプリットを強振してキャッチャーへのファウルフライ。5回無死満塁から筒香のライトへの大きな犠牲フライで二塁走者の牧がタッチアップできずに三塁に進めなかった。
5回に2点をリードし、8回にも追加点を奪ったが、もっと早いイニングで得点し、東に楽なピッチングをさせてやりたかった。そうなれば中3日で6戦目のリリーフ、もしくは中4日で7戦目の先発もできる可能性が高まったと思う。
久しぶりの先発の後は、翌日の体の状態が気になる。コンスタントに投げていればそれほど問題ないが、間隔が空くと体の張りを強く感じてしまう。それだけに援護してやりたかった。DeNAが勝つためには、もう1度、東の登板が必要になると思う。どうなるかは分からないが、その日がくると信じて、守備を整えてほしい。(日刊スポーツ評論家)




