いよいよプロ野球のキャンプ視察が始まった。各チームとも今季の戦いがどうなるのかを予想する上で、春季キャンプは重要な位置付けになる。個人的なスケジュールの都合もあったが、今回の視察はヤクルトの2軍からスタートすることになった。
1番に気になるのは、昨年のケガの影響で2軍スタートした村上と塩見の状態だろう。いまさら説明するまでもないが、来季のメジャー移籍を決めている村上は「活躍してくれないと困るNO・1選手」であり、塩見は「復活してもらわないといけないNO・1選手」だと断言していい。ここ2年、チームは連続5位に低迷しているが、この2人がそろって本来の力を発揮してくれればAクラスに入る力量は十分にある。
この日は風も強くて気温も低く、当初は室内練習場で行うプランがあったそうだ。それでも池山2軍監督の「せっかくファンも来てくれているのだから屋外でやろう」のひと言でグラウンド練習となった。さすがに寒く、フリー打撃では2人ともフルスイングとはいかなかったが、順調そうな仕上がり。特に塩見のスイング軌道は「さすがだな」と思えるほどスムーズ。村上もセンターから逆方向を中心に、力みなくスイングしていた。このままの調整でステップアップしていけば、開幕には万全で間に合うと思う。
ただ、チーム全体の雰囲気で気になったことがあった。投手を入れた内野ノックで悪送球しても、そのまま何もなかったような感じでの練習が続いた。ひと昔前のようにハードな練習はせず、故障防止をメインにして練習するのはいい。ルーキーに対しても細かな技術指導は行わず、ノビノビとやらせるのもいい。しかし相手がキャッチできないような送球をしたときなど、そのままプレーするのではなく「ごめんな」という、ひと言ぐらいはあっていい。
昔のように「ミスは許されない」といった過度なプレッシャーをかける必要はない。それでも相手を思いやる気持ちや、自分のミスを素直に認めるような雰囲気は、チームにとって大事だと思う。練習は試合を想定してやるもの。ここでは個人名を挙げて非難しないが、ミスをしてもそのまましれっとしたままプレーをするようでは、チームの雰囲気は悪くなるし、適度な緊張感も生まれてこない。そういう小さな積み重ねが、チームの再建の1歩につながると思っている。(日刊スポーツ評論家)




