レベルの差があるが「左のリリーフ」を重点課題として掲げていた井端監督にとって、収穫のあった試合だっただろう。先発した宮城は左の先発候補だが、球威、キレ、制球のどれをとっても完璧だった。

2番手の塹江は左サイドで、3番手の橋本は左のスリークオーター。国際大会では左の変則は貴重な存在で、希少価値は高い。メジャーのルールに伴うWBCは、ワンポイントリリーフが禁止になるだろうが、それぞれ1イニングを抑えられそうな実力はある。

少し気になったのが、打撃陣だろう。オランダ投手陣は思っていた以上によかったが、それでも日本の打者を抑えるのは難しと思っていた。相手バッテリーも「これでは抑えられない」と思ったのか、変化球を多めにした配球に変わった。

3回無死一塁、打席の佐藤輝はカウント1-2から外角に沈むチェンジアップを空振り三振。続く万波もカウント0-2から低めのスライダーを空振り三振した。2人とも1発の魅力がある打者だが、佐藤輝はツーシームが2球続いたあと、2球続いたチェンジアップを空振り。万波もスライダーを2球、見送ってストライクになった後、ボールゾーンに曲がるスライダーを空振り。そろそろ真っすぐが来ると思ったのだろうが、投手有利なカウントであり、もっとしぶとく食らい付く意識がほしかった。

国際大会はなじみのない投手との対戦がメイン。広角に打つか、センター方向や逆方向を狙う打者の方が結果を残している。2人とも引っ張ってヒットを打っているが、大差がついた7回裏の攻撃が終わるまで、日本の引っ張ったヒットは、この2本だけ。2人ともセンターや逆方向でもスタンドインできるパワーがあるのだから、それを生かせるバッティングをしてほしかった。

それと、せっかく外国のチームを招いて試合をするのだから、WBCで導入されそうなルールでプレーしてほしかった。ケガの心配はあるが、メジャー球を使用し、ピッチクロックも導入し、ベースもメジャーで使用するものを使ってほしかった。そうすれば、レベルが違ったとしても、もっと得られる収穫は多くなったと思う。(日刊スポーツ評論家)

日本対オランダ オランダに勝利し、ナインを出迎える日本水谷(中央)(撮影・藤尾明華)
日本対オランダ オランダに勝利し、ナインを出迎える日本水谷(中央)(撮影・藤尾明華)