阪神は中日を相手に2戦連続の完封勝利を収めた。10日は村上が9回をゼロ封。この日は伊原からの継投で逃げ切るなど投手力で押し切った。わずか1点を守り抜いたが、加点するチャンスがなかったわけではない。

5回1死満塁。5番大山のやや二塁ベース寄りのライナー性の打球を中日二塁手・田中が捕球した。ここで飛び出していた二塁走者・森下が帰塁できず封殺されたのは、まずい走塁だった。

打球のコースによってはスタートを切るケースもある。だが打った瞬間から低い打球であることは分かっただろうし、田中がダイレクトでイージーに捕球したように、判断が難しい当たりではなかったはずだ。

つまり“平凡なライナー”だったのだから、あの打球で森下は二塁を飛び出してはいけなかった。チームとしては中押し点を奪うチャンスだけにもったいなかったし、中日に流れを渡したようにも映った。

阪神は直後の中日の拙攻に助けられた。6回表。代打鵜飼、1番岡林の連打で無死一、二塁の好機で、中日ベンチは2番カリステに初球バントを命じた。これが投手真正面への最悪のゴロになって三封された。

次打者が勝負強い上林だったし、確実に送るのであれば、代打を起用するべきだった。ここで追いつかれていれば展開は変わっていただろうが、中日の拙攻によって阪神が逃げ切る確率が高まった。(日刊スポーツ評論家)

阪神対中日 6回表中日無死一、二塁、カリステの送りバントが失敗に終わり下を向く井上監督(左から3人目)(撮影・上山淳一)
阪神対中日 6回表中日無死一、二塁、カリステの送りバントが失敗に終わり下を向く井上監督(左から3人目)(撮影・上山淳一)