阪神が今季最長タイの6連勝を飾り、2位広島とのゲーム差を今季最大の6に広げた。打線はDeNA左腕ケイの前に7回終了時点で無得点。それでも1点を追う8回に2得点で逆転し、9回一気に突き放した。日刊スポーツ評論家の岩田稔氏(41)は8回先頭で出塁した坂本誠志郎捕手(31)の1打席に注目。「勝負の分かれ目になった」と絶賛した。【聞き手=佐井陽介】
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8回表、1点を追う阪神の先頭打者、坂本選手の1打席に注目していました。直前の7回裏は無死一、三塁の大ピンチを招きながら、DeNA打線の拙攻にも助けられて無失点。村上投手の踏ん張りと気迫で横浜スタジアムの雰囲気が一変した直後の打席でした。
7回裏のDeNA打線はスクイズ失敗に加え、細かな走塁ミスも重なった結果、無得点に終わっていました。マスクをかぶっていた坂本選手は「よしっ、これで流れを持ってこれる」と空気を感じ取った上で打席に入ったはずです。DeNAは7回無失点のケイ投手を交代させ、2番手に伊勢投手を投入。先頭打者が出塁するか否かで、再び展開が落ち着くか、一気に流れが阪神に傾くか、どちらに転んでもおかしくない1打席でした。
そんな重要な打席で坂本選手は冷静でした。代わりっぱなの伊勢投手のボールが上ずっていることを確認すると、2ボール2ストライクからの5球目、外角高めの148キロ直球を丁寧にかぶせるようにミート。お手本通りの逆らわないセンター返しで二塁頭上にライナーを放ち、流れを決定づけました。「オレが打ってやる」ではなく「なんとか後ろにつなぐ」。いい意味で欲を感じさせない1打席が勝負の分かれ目になったと感じました。
阪神打線はこの坂本選手の中前打から2得点で逆転。9回には代走や守備固めでの出場が多い植田選手、熊谷選手にも2者連続の適時二塁打が飛び出しました。控えメンバーにもHランプがともると、チームは一気に盛り上がるものです。完全に勢いづいた阪神。6連勝という数字以上に、独走態勢に入った事実が際立ちます。(日刊スポーツ評論家)




