いよいよ勝負の後半戦だ。26日のオリックス戦(みずほペイペイドーム)から、リーグ連覇を目指す2位ソフトバンクの逆襲戦線が始まる。日刊スポーツ評論家の浜名千広氏(55)は夏本番のキーマンに、周東佑京内野手(29)を指名した。リーグトップタイの25盗塁に加え、打率は同4位の3割2厘。中堅でも広い守備範囲で好守を連発している。前半戦を6連勝で締めたチームは、首位日本ハムを2差で猛追中。3拍子ぞろいのリードオフマンが「グラウンドに出続けること」を必勝条件に挙げた。

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後半戦に入る前に、少しばかり前半からの「流れ」を振り返ってみたい。開幕から低迷していたチームを目覚めさせたのは川瀬のバットだった。今季2度目の5連敗を喫して迎えた5月2日の本拠地ドームでのロッテ戦。2点差の9回に代打で逆転サヨナラの2点適時二塁打。あの一打が好転への潮目となった。

柳田ら故障者が続出した中で、ベンチはどうにか打線の形をつくりたかったのだろうが、うまくいかなかった。その後、不振の山川を4番から降格。この決断も大きかったように思う。柳町の成長、野村、佐藤直らの台頭は苦しいチーム事情と、彼らの危機感が育んだと言っていい。球宴前の6連勝(引き分けを挟む)も、そんな「流れ」が呼び込んだと思う。

いよいよ勝負の後半戦がスタートする。ズバリ、私がキーマンに指名するのは周東だ。もちろん、柳町、野村、中村、そして川瀬も前半戦と同じように期待しているが、周東には正念場となる8、9月の夏本番にフル稼働してもらいたい。打率3割を超す打撃が証明しているように、昨年から取り組んだバットの面で打つ技術を習得。リーグトップタイの25盗塁を含めた走塁は、相手にとって脅威の存在で、中堅守備は投手、チームを救う鉄壁さがある。

「走攻守」の3拍子がそろった選手は今のホークスには周東しかいない。故障していた両膝の不安もあって、前半戦は小久保監督も大事に使っていたが、それも勝負の後半戦に向けてのためだろう。幸いにも後半戦は9月上旬まで6連戦が2度しかない。周東には最低限の仕事として毎試合グラウンドに立ち続けてもらいたい。2ゲームの首位日本ハムを追走し、逆転Vへの絶対条件は周東が試合に出続けることだろう。

ベテラン中村の存在も忘れてならない。今季は代打1本といわれながら、チーム事情から「4番」まで任された。簡単にできる仕事ではないが、しっかり役目を務め、技術のみならず、チームの「精神的支柱」として存在感を示している。今季の中村の姿を見ていると今まで以上にチームのために、という献身性が感じられる。

近藤、山川の活躍も前提だが、前半戦から続く「流れ」をけん引するためにも、走攻守の3拍子がそろった周東の存在は欠かせない。逆転Vへ、熱い戦いを演じてくれると信じている。(日刊スポーツ評論家)

25年5月20日の日本ハム戦で本塁に素早く送球する周東
25年5月20日の日本ハム戦で本塁に素早く送球する周東
盗塁を決める周東=24年10月31日
盗塁を決める周東=24年10月31日