阪神が9回に2点差を逆転し、4カード連続で初戦白星を飾った。首位ヤクルトが敗れたため、今季初めて首位に立った。
2点を追う9回、1死一、三塁から代打前川右京外野手(22)が、中日松山の初球を捉え右翼線へ適時二塁打。相手の失策もあり、一気に2人が生還し逆転に成功した。日刊スポーツ評論家の大石大二郎氏(67)は逆転劇を呼んだ2つの粘りについて解説した。
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土壇場で二塁打を放った前川がヒーローだが、ポイントになったのは、高寺の打席だ。中日松山に対し、フォークと真っすぐを空振りし、カウント1-2と簡単に追い込まれた。相手は守護神で真っすぐもフォークも頭にちらつくなかで、ボールを見極め、四球を勝ち取った。明らかなボール球もあったが、よく手を出さなかった。前の打者である坂本が見逃し三振に倒れ、2死。高寺自身もこの日は3打席とも内容は良くなかった。もうダメかと思ったが、この精神的な粘りが逆転を呼んだといっていい。
中日ペースで進んだ試合だったが、もうひとつの「粘り」が勝利につながった。先発村上はかなり調子が悪かった。制球力が持ち味だが、序盤からボールを全然コントロールできなかった。イニングの先頭打者の初球が4回まですべてボール球。コースを間違えないのが村上だが、カウントが取れなかった。3回の失点もチェンジアップが浮いていた。高めにボールが抜けたり、低めの球がワンバウンドになったり、明らかなボール球が目立っていた。それでも7回を2失点に抑えて、試合をつくった。その辺は、これまでの経験だろう。力まずに我慢、我慢ということでしのいだ。振り返ってみると、6安打2四球だったが、連打は許していない。いい投手というのは、調子が悪いなりに抑える時があるということだ。
阪神にとっては、今季初のバンテリンドームの試合で、ホームランウイングが新設された。森下の本塁打で恩恵を受けた形になったが、狭くなったから、ホームラン、ホームランというわけではない。大振りして、逆に打てなくなることがある。一概にバッター有利というわけでもない。結局、最終回は本塁打がなくても4点取っている。自分の打撃がいかにできるかが重要だ。(日刊スポーツ評論家)




