「野球好き歌手」として知られる河野万里奈(30)が当連載に初参戦! 日本ハムが23年春開業予定の「エスコンフィールドHOKKAIDO」(北広島市)への期待を、目いっぱい野球愛を詰め込んだ特別コラムとして執筆した。4大注目ポイント、未来予想図、そして新球場との意外な縁とは? 妄想全開でお届けする。

エスコンフィールドHOKKAIDOへの熱い思いをしたためた河野万里奈(本人提供)
エスコンフィールドHOKKAIDOへの熱い思いをしたためた河野万里奈(本人提供)

私は兵庫生まれ福岡育ちですが、鎌ケ谷も含めて週1で各球場にファイターズの試合を見に行ったり、行けなくとも試合中継は必ずチェックしたり。日々の楽しみの大半をファイターズからいただいています。そんな私にとっても、ホームラン級に楽しみなことが! それは、23年に完成予定の「エスコンフィールドHOKKAIDO」です!

~4大注目ポイント~

(1)衝撃ランキング1位は、やはりレフト上段! 北の大地からくみ上げる天然温泉。そこにホームランが入ろうものなら「温泉弾」と呼ばれ、新たな名物となるのでしょうか。見えます…「横尾俊建 温泉弾」という見出し…1面を飾る未来…が!

(2)とてもありがたいのが、球場全体がボーダーレスであること。席を立ったときも、グラウンドが見えるならばうれしい。お手洗いに行くと試合を観られない、それが嫌で我慢しすぎて体調を崩したことがある私にとっては、切実にありがたい。野球になじみのない方やお子さまにとって、歩いている風景の一部に野球があること。これが「好き」の門戸を広げると思うのです!

(3)世界最大級のビジョン! MLBの、どこよりも大きく作る構想だとか。私は12球団の各本拠地に通っていますが、やはり、ビジョンにプロフィール、成績、相手投手(打者)との対戦情報、応援歌の歌詞などが表示されるか否か。これもファンを増やすカギを握っていると感じます。初見でも一緒に応援できる、選手の魅力に気付ける、そんな野球は楽しい!

(4)守備好きとして目が離せないのは、開閉式の屋根&天然芝。技術面の違いはわかりませんが、選手の守備が札幌ドームとは、また違う表情を見せるのではないかとワクワクします。3年連続ゴールデングラブ賞の西川遥輝選手はもちろん、大マグロのようにブリンとした太ももで地面を踏みしめる柿木蓮投手、躍動感に満ち満ちた渡辺諒選手!

~広がる妄想~

工事中の動画(注1)を見ていると夢が広がり、こんな施設もあったら…と勝手に想像してみました。敷地内にジムがあって、野球を見ながら体を鍛えられるといいな。マツダスタジアムがそうですね。マシンには機能別に「この筋肉を付けたいならコレ(例:王柏融選手の上腕三頭筋を目指すならラットマシン)」なんて書いてあって、あこがれの選手の体形に近づけちゃう。これなら無限に頑張れそう。

また、私は新千歳空港内の「ROSTER」(注2)が大好きなので、選手と北海道市町村のコラボ料理や、選手の写真がプリントできるカフェラテを楽しめるダイニングがあるといいな。

本塁打を放つ日本ハム横尾(18年9月22日撮影)
本塁打を放つ日本ハム横尾(18年9月22日撮影)

試合に勝った日は花火! その日のヒーローの背番号型に打ちあがる、とか。何より、新球場のマウンドには私の大学の先輩、宮西尚生投手がいてほしい!

最後に余談ですが、球場の命名権を取得した「日本エスコン」は、16年に福岡・春日市で街づくりを手がけています。実はその場所こそ、わたしが育った地。つまり、今回は「ふるさとの兄弟」が北海道に誕生するような特別なご縁も感じているのです。

北海道の皆様、道外からファイターズを愛する者、そしてこれから出会い愛するであろう方々。日本中から愛され、日本中へ夢を発信するボールパークに、期待しかありません!【河野万里奈】

※注1 新球場の保有・運営会社の「ファイターズ スポーツ&エンターテイメント」のホームページ内にある「LIVE CAMERA」で建設中の様子をライブ中継で見ることができる。

※注2 新千歳空港の国内線ターミナルビル内にある直営レストラン「FIGHTERS DINING ROSTER~DELI&ROAST~」のこと。18年10月19日オープン。選手の写真をプリントしたラテアートや、旬の道産食材を使ったメニューが人気。選手らも足を運び、壁面にはサインが多数ある。

◆河野万里奈(かわの・まりな)1990年(平2)5月21日生まれ。福岡・春日市出身。関西学院大出身。物心がついた頃から、夏休みは兵庫・尼崎市の祖母宅に行き、家族で甲子園球場に通って野球好きに。応援している高校球児が各球団に散らばるため、特定の球団を応援することができない「NPB箱推し(全体を応援している、の意)」。10年に「第4回アニソングランプリ」で優勝。11年にデビュー後、事務所をディアステージへ移籍し、19年5月に再メジャーデビュー。特技はスライディング。身長148センチ、右投げ右打ち。

<日本ハム担当の山崎記者の「純さんぽ」>

ボールパーク建設地周辺を日本ハム担当の山崎記者が歩く「純さんぽ」。開業へ向けて盛り上がっていくはずの北広島市内にも、新型コロナウイルスの影響は影を落としている。

北広島市内にある我流麺真舎(撮影・山崎純一)
北広島市内にある我流麺真舎(撮影・山崎純一)

自粛生活を続けていたため、北広島に足を運ぶのも久しぶり。新球場の工事が始まって約2カ月がたったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響が、街の空気を重たくしているようだ。

北広島駅東口を出てすぐ、道道46号線沿いにある「我流麺真舎」に入った。すぐに目についたのは、アルコール消毒用のプッシュポンプボトル。

 
 

当店は、市内外からの客で春先は特に忙しいという。だが今年は新型コロナの影響で客足が減り、4月の売り上げは例年の約半分に落ち込んだそうだ。「ゴールデンウイークは特に(客が減った)。徐々に戻ってきているけど、まだまだ」と店主の盛岡真さん(42)。「少しずつよくなってくれれば」と日常へ戻ることを願いつつ、「(街が)発展して人が集まってくれれば」と、ボールパーク誕生への気運が、コロナ不況を吹き飛ばしてくれることを期待した。

1番人気だという「我流みそラーメン」は、おいしさのあまりスープをすべて飲み干してしまった。まだ肌寒い春先のナイター観戦前後には、きっと店内がにぎわうことだろう。【山崎純一】