ファイターズが好きで北広島に移住!? 日本ハムが23年春に開業を予定するボールパーク「Fビレッジ」と新球場「エスコンフィールド北海道」は、市民にも大きな影響を与えている。日本ハムファンで会社員の池田和也さん(37)は、2年前に北広島市内に住宅を購入。家族とともに日本ハムの本拠地になる街で暮らし、応援し続けることを決めた。

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「日本ハムが好き」。その熱い思いが、池田さんを北広島移住へと動かした。「まず1人目の子どもが生まれて、引っ越そうかとなった時に、ファイターズが好きだったので、北広島がいいんじゃないかと僕が妻に提案したんです」。ファイターズ愛が高じて、迷わず北広島市内に2階建ての住宅を購入した。

妻の故郷であり、自然豊かな北海道に住む計画は元々立てていた。東京で不動産業の会社に勤めていたが「結婚して妻と将来のことを話した時に、東京でずっと子育てをして、というのは想像がつかないと」。異動願を出して、17年10月にまずは札幌に移住した。

その後、19年2月に第1子が誕生。広い家への引っ越しを検討し始めていた時に、妻に家の購入を切り出した。「最初は驚いてましたよ。え!?みたいな。普通に賃貸から賃貸に引っ越すもんだと思っていたと。僕がいきなり買っちゃおうか、と言った時は驚いてました」と笑う。妻を説得して北広島に念願のマイホームを手に入れた。

宮崎県の出身で北海道には縁もゆかりもなかった。上京して都立大学に通っていたが、3年時に自主退学。役者の道を志していた時に妻と出会い、32歳の時に結婚した。「妻が北海道出身というのもあり、その時にはもう北海道への移住を意識していたのもあって」と、自然と日本ハムの試合を見るようになった。16年に日本一になった時のシーンは、今でも鮮明に記憶が残っているという。

北広島に住み始めてもうすぐ2年がたつ。今年1月には第2子となる女の子が生まれた。「環境的には申し分ないという感じですね。子どもが大きくなった時にファイターズが好きになって、一緒に観戦に行けたらうれしい。これから活気づくと思うと楽しみ」。大好きな日本ハムの本拠地のある街で暮らす。夢のような未来がもうすぐやってくる。

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すっかり秋の風が吹く北広島市内。閑静な住宅街で「パティスリー モンタンベール」を見つけた。店内にはフランス菓子、生菓子のほか、贈り物にも最適な焼き菓子もそろう。「小さい頃からお菓子が好きだった」。オーナーシェフの長根山倫至さん(56)がフランスに渡り、腕を磨くなど経験を積んで99年12月に店をオープンさせた。

3人の子を持つ長根山さんは、ボールパーク建設地がまだ野原だった頃を思い出す。「子どもたちと一緒によく遊んでいた場所。そこにできるのは感慨深いですよね」。毎週のように周辺を歩きながら、建設が進む様子を見守っている。

期待は高まるばかりだ。「選手や監督の誕生日の時にバースデーケーキをつくることができたらうれしいですね。たくさんの人に私がつくったお菓子を食べてもらいたい」。職人としての夢も膨らむ。【山崎純一】

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日本ハムは8日、23年開業の新球場エスコンフィールドの広場に、名前や誕生日などを刻印したレンガを敷設する「THE BRICK」プロジェクトをスタートした。

レンガは同フィールドの一塁側エントランス前広場に敷設予定で、「ファイターズレジェンドベストナイン」で選出された12人を含む29選手、北海道移転後に指揮を執った監督3人のレンガを敷設。購入したレンガを、選手や監督の名前に隣接して敷設できる権利や、23年ホーム開幕戦ペアチケット付プランなども、数量限定で販売する。レンガは22年秋ごろ設置の予定。稲葉SCOは「レジェンドベストナインに選んでいただき、私自身が歴史のピースの1つになれたことを、非常にうれしく思います」とあいさつ。「世界一のボールパークを皆さんと一緒に目指せたら」と話した。申し込みなど詳細は、球団公式ホームページへ。

ファイターズ愛を語る北広島市在住の池田さん(撮影・山崎純一)
ファイターズ愛を語る北広島市在住の池田さん(撮影・山崎純一)
日本ハムのファンで北広島市在住の池田さん(撮影・山崎純一)
日本ハムのファンで北広島市在住の池田さん(撮影・山崎純一)
北広島市内に店を構える「パティスリー モンタンベール」(撮影・山崎純一)
北広島市内に店を構える「パティスリー モンタンベール」(撮影・山崎純一)
自身の名前が刻印されたレンガを持ちながら笑顔で撮影に応じる日本ハム稲葉SCO(撮影・佐藤翔太)
自身の名前が刻印されたレンガを持ちながら笑顔で撮影に応じる日本ハム稲葉SCO(撮影・佐藤翔太)
日本ハム稲葉SCOの名前が刻印されたレンガ(撮影・佐藤翔太)
日本ハム稲葉SCOの名前が刻印されたレンガ(撮影・佐藤翔太)