DeNAがついに新スポーツまでも作りあげた。「ティーボール」という野球競技の1つを一部ルール変更したもので、園児向けに改良。球団は野球振興プロジェクト「やきゅうみらいアクション」を発表し、この新競技普及のため、横浜市内の幼稚園と保育園へ年100回の訪問活動を行う。9月17日には第1回大会を開催。野球の競技人口アップが大きな狙いで、その名も「BTボール」という新競技で、裾野を広げていく。

 これまで、オリジナルのビールやメンチカツなど、横浜スタジアムの新名物を登場させ、今年3月には本拠地がある横浜公園に隣接した新施設「THE BAYS」が誕生。事務所機能に加えてファンショップやカフェがオープンし“前線基地”ができあがった。8月1日からは限定オリジナル醸造ビール6種類が随時登場するなど、次から次へと、アイデアが創出される球団が、次に目を付けたのは競技だった。

 20日に横浜スタジアムで行われた記者会見で、岡村信悟社長(46)は「野球を知らないとスタジアムで“見る”文化も衰退する。小さいころから親しんでやったことがある人を増やしていく。球団として普及活動から取り組んでいく」と宣言した。その裏には今、野球が直面している問題がある。全日本野球協会の出した資料によると、小学生の野球競技人口は07年の約31万5000人から、16年には25万人まで減少。実際に、DeNA選手会が実施する「星に願いを」プロジェクトで訪問した小学校で、将来の夢に野球選手と書いた児童が0だったことがあった。

 ここに危機感を抱き、球団として動くことに大きな意味がある。同社長は「効果的な取り組みをそれぞれの地域(フランチャイズ)でやっていければ。ある意味競争のない領域」という。競技名の「B」には、ベイスターズやベースボールの意味が込められているという。ルール決めにはスペシャルアドバイザーの三浦大輔氏(43=日刊スポーツ評論家)の助言を参考にした。訪問活動での移動するため、スターマンモデル専用カーまでもつくった。あらゆる人間が動き、球団全体で取り組む。その視線は、しっかりと未来を向いている。【DeNA担当=栗田成芳】