中日の死球の多さが話題だ。3日時点でリーグダントツの48個、当てられている。1日の阪神戦では4死球。2つも受けたゲレーロは14死球でリーグ1位を独走している。8月だけでビシエド、大島とクリーンアップが死球で骨折しただけに、見ているこちらも肝を冷やした。

 記事では「乱闘が起きてもおかしくない」と書いたが、選手の反応はさまざまだった。ある主力選手は「明らかにわざとじゃない死球ばかり。制球力がないだけ」と不問に付す理由を明かした。別の選手は「ダメでしょ。こっちの投手も当て返さないと。当てられっぱなしですから」と少し過激に憤っていた。

 「血の気の多い選手が少ない」という声もあった。確かに当のゲレーロが、投手を威嚇したことはほとんどない。ビシエドもそうだった。ゲレーロは「自分も悪い」と、よけられなかったことを反省しているという証言もあった。

 違った視点では、守備のブロックを規制するコリジョンルールによって、接触が少なくなり、遺恨の火ダネが減ったことを挙げる選手もいた。また、若手選手からは、相手ベンチに座る重鎮の「逆ギレ」が気になるという声も聞いた。かつて、他球団でそういうシーンが話題になった。

 メジャーでは報復行為は当然。自分の身を守るためであって、確かに筋は通っているが、日本人の精神性にはなじまないのだろう。それはそれで、日本野球のいいところだと思う。

 実は、中日は与死球、つまり当てた数も54で12球団トップ。攻守における死球の多さは興味深いが、どう関連づけていくかは難しそうだ。【中日担当 柏原誠】