ペナントレースもいよいよ大詰めを迎えた。厳しい残暑も過ぎ去り、朝夕の涼しさには秋の訪れを感じる。秋と言えば読書。阪神にも熱心な読書家がいた。山崎憲晴内野手(31)だ。毎日のようにページをめくり、気に入った本の著者には手紙を出すほどだという。

「本は読んだほうがいいよ。いい年なんだから」と23歳の記者に読書のススメ。手にしていたスマートフォンで、おすすめの1冊を紹介してくれた。

『「理不尽」が多い人ほど、強くなる。』(中谷彰宏・きずな出版)。今年5月に発売された本だ。内容は理不尽なことも受け止め方次第で、心のキャパシティーを広げられるというもの。不都合なことが起きるとつい愚痴を言ってしまうことが多い私にとって、この本に書かれている気持ちの持ち方、メンタリティは参考になることばかりだ。

派手さはなくても堅実なプレーで厳しい世界を生き抜いてきた。大けが、戦力外を乗り越え、プロ10年目。社会人1年目の記者はこの1冊を通じて、山崎の生きる姿勢を少しばかり学んだように思う。【阪神担当 吉見元太】