<中日4-3阪神>◇28日◇ナゴヤドーム

中日岩瀬がプロ入りまで所属していたNTT東海で監督を務めた小松直樹さん(56)も大記録を喜んだ。20年以上前の記憶もよみがえる。「入ってきたときから本人はプロでやるなら『投手』と、プロ志向が強かった」と振り返った。愛知大時代は年間124安打を放つなど、岩瀬は打者としても非凡なセンスをみせていた。「打たせてみたかった」と小松さん。社会人時代はDH制のため実現しなかったが、もし二刀流だったら…と想像してしまう。

90年代後半は社会人チームの解散、再編があった。NTT東海も岩瀬がドラフトにかかった翌年の99年にNTT関西と合併し、NTT西日本になる。プロ入り前、監督だった小松さんは「チームがなくならなかったら(どうしていたか)」と、岩瀬に聞いたことがあるという。答えは「もう1年、チームのために働きたかった」。もし二刀流だったら、時代の流れが違っていたら…。岩瀬の数々の大記録も大きく変わっていたかもしれない。【中日担当 伊東大介】