<エンゼルス5-6マリナーズ>◇20日(日本時間21日)◇エンゼルスタジアム

マリナーズ菊池雄星投手(27)がエンゼルス戦に先発し、5回10安打4失点でメジャー初勝利を挙げた。

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周囲の助けも借り、メジャー初勝利を手に入れた。10安打を浴びたが、6得点で1点差を守った。「打線と救援陣に助けてもらいながら、勝つことができた。今日ミーティングにマルコ(ゴンザレス)も来てくれてたくさんアドバイスをくれた」。この日だけでなく、開幕投手の左腕ゴンザレスからは“講義”を受けることが多々ある。菊池のブルペン投球をあたかもコーチかのように見守り、チェンジアップの有効な使い方など身ぶり手ぶりのレッスンが始まることもあった。

実は、貪欲で積極的な菊池の姿勢こそがチームメートを動かしていた。自分から仕掛けなければ、相手が興味を示さないのが米国文化の特徴。受け身で、助けてくれるケースはまれだ。代理人スコット・ボラスの事務所関係者は、菊池の性格を「松坂(大輔)以上に積極的。よくしゃべるし、よく質問もする」と第一印象を話した。同様にゴンザレスも「彼はいろいろ知りたいという欲がある。だから僕も教える」。

米国だからと背伸びはしない。西武時代の同僚ルブランは「日本にいたときと同じで、変わっていない。向上心がある」と言う。ありのままに、常に上を目指す。その姿勢が仲間の助けを呼び、勝ち星も運んでくれた。【MLB担当=斎藤庸裕】