来日2年目のソフトバンク左腕ミランダにあいさつすると「ウッス!」と元気よく返してくる。昨季途中に加入したメジャー13勝投手は、すっかり日本がお気に入りだ。

7月28日オリックス戦では、6回無失点で勝ち投手になり、7歳の双子の兄弟、アディエル君とアドリエル君と一緒にお立ち台に立った。「初めてだよ。いいところを見せられてよかったよ」と30歳のパパは照れ笑いした。

先日、福岡県篠栗町の南蔵院を訪れ、横たわっている巨大な仏像、涅槃(ねはん)像などを見学した。住職が宝くじに当選したことから金運のパワースポットとしても有名。ミランダは「観光で行って見たよ。よかったね。金運? それは知らなかったよ」と両手を合わせてお祈りをするまねをして笑った。

妻タイニーさんと義理の母と双子の息子と5人でいろんなことに挑戦している。ある日は自宅近くの写真スタジオで家族そろって着物を着て記念撮影を撮った。「子どもたちにもいい記念になると思ってね。僕は(心は)日本人だから」と、うれしそうに話していた。

金子真輝通訳は「ミランダは日本の文化を吸収しようと、何にでもすごく興味を持っていますね」。チームにはデスパイネ、グラシアル、モイネロ、コラスとキューバ人選手がいる。4人とも野球に対し真摯(しんし)で真面目だ。同じキューバ出身でも、米国、メジャーでプレー経験があるミランダは、異国文化への興味が人一倍あると感じる。

春先は調子が出なかったが、7月からは直球の威力、制球力も戻り、防御率1点台の安定した投球を続けている。優勝争いの中、大きな戦力となりそうだ。今は5勝どまりだが、白星を重ねて来季も日本でプレーし、もっともっと日本を好きになってほしい。【ソフトバンク担当 石橋隆雄】