静寂のペイペイドームに、背番号「50」が勢いよく走って現れた。ソフトバンクのイケメン右腕、板東湧梧投手(25)が13日、1軍に合流。一番乗りで投手練習に参加し、本拠地のマウンドで投球感覚を確かめていた。

昨季は先発1試合を含め、ロングリリーフなどで15試合に登板。オープナーの笠谷、2番手板東の継投パターン「バンカサ」コンビでプロ初勝利を手にするなど、3年ぶりリーグ優勝に貢献した。SNS上では「投手とイケメンの二刀流」などの声もあがるほど、特に女性ファンからは大人気。昨秋に右肘の手術を受け、2軍調整を経て1軍に戻ってきた。鷹党にとっては、いろんな意味でうれしいニュースだろう。

リハビリ中は肘への負担を減らすために投球フォームを改良した。「(体の)連動性を意識して取り組んできていることがつながって、痛みもなく投げられている」。見た目で大きく変わるところはないが「自分の思っている感覚以上に力やスピードが出ています」と、球質の向上を実感した。直球の最速は150キロにまで戻った。

新球スライダーの習得にも着手しており「理想はキレのある空振りが取れるもの。今はスラーブみたいに大きく曲がる感じ。それでも中間速(の球)として使えたらいいなと思う」。まだ試行錯誤の段階だが「(投球の)選択肢としては入ると思います」と、りりしい表情で話した。

高村1軍投手コーチは「今いるメンバ-との兼ね合いで、どういうポジションでいくかは今後」と話すにとどめたが、現状18日からの西武3連戦は先発ローテ-ションが1人足りなくなる。先発板東の可能性を問われた同コーチは「そういう選択肢もある」と完全否定はしなかった。予告先発「板東湧梧」が見られる日もあるかもしれない。【ソフトバンク担当=只松憲】