<オリックス4-3楽天>◇15日◇ほっともっと神戸

オリックス吉田正尚外野手(27)が、2点を追う6回1死一、二塁で起死回生の8号逆転3ラン。ほっともっと神戸に詰めかけた7795人のファンを総立ちにさせた。

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ファンが求める芸術作品を、毎日、必死に仕上げる。吉田正は「スタンドインした瞬間が打撃の完成形」だと説明する。

「僕は、インパクトの瞬間に100の力をぶつけるだけ。フォロースルーは気にしていないんです」

“バット投げ”をしない。振り切ったあと、バットはその場にそっと置く。必ず先端部分に土がつくため、ベンチに戻ると磨く。「フルスイングって勘違いされがちだけど…。本塁打数イコール強いスイングができている証。芯に当てないとスタンドには届かない」。着弾を見届け「喜んでもらえたかな」とホッとする。表情が冷静に見えるのは、そのためだ。

「打撃って面白くてね。昨日は打てたのに、今日は打てない…とかね。シーズンはその繰り返しで次が大事。どう修正するかを毎日考えるだけ」。球場でも、自室でも。ときには食事中や寝る直前でも、打撃映像を確認する。ファンの喜びのため、最善を尽くす。【オリックス担当=真柴健】

オリックス対楽天 6回裏オリックス1死一、二塁、吉田正(手前)に左越え3点本塁打を打たれ、厳しい表情を見せる田中将(撮影・前岡正明)
オリックス対楽天 6回裏オリックス1死一、二塁、吉田正(手前)に左越え3点本塁打を打たれ、厳しい表情を見せる田中将(撮影・前岡正明)