日本ハムの2軍本拠地、千葉・鎌ケ谷スタジアムで4月25日、イースタン・リーグ公式戦通算2500本目の本塁打が飛び出した。打った選手には「鎌スタ通算2500号本塁打達成賞」として、北海道名物「松尾ジンギスカン」(道民は愛着を込めて「マツジン」と呼びます)の特上ラム肉100人前(25キロ相当)がスポンサーから贈られたのだが、打ったのは巨人の新外国人テームズで…日本ハム側としては、ちょっぴり残念だったのは、言うまでもない。

鎌ケ谷は、今年で開場25年目。91年以降、1000試合以上を行った2軍6球場の中で唯一、1試合平均の本塁打数が2本を超えるなど、本塁打が出やすい。建設当時の1軍本拠地、東京ドームと同じ規格で作られたため、左中間、右中間の膨らみが小さく、さらに「鎌風」が本塁打量産を後押しする。2軍でコーチや監督の経験がある査定担当の五十嵐信一氏(61)いわく「吹き込む風が、すり鉢状の球場で舞い上がる」。OBで侍ジャパンの建山義紀投手コーチ(45=日刊スポーツ評論家)も「ボールが上に上がると落ちてこないイメージ」と、投手泣かせの球場だ。

イースタン・リーグで年間30発の本塁打記録を持つ日本ハム中田翔内野手(32)は、そのうち15本を、ここで打った。もちろん、鎌スタの年間記録だ。一方、この球場で年間最も本塁打を許したのは、武田勝1軍投手コーチ(42)の14被本塁打なのだが、1本差の次点が野手転向前の糸井嘉男外野手(39=現阪神)というのが面白い。

「鎌ケ谷で打たれなければ、1軍でも打たれない」(五十嵐氏)。現在1軍は、最下位に低迷。鎌スタで鍛えられた新戦力の台頭が、待ち遠しい。【日本ハム担当=中島宙恵】