<ソフトバンク1-2日本ハム>◇18日◇ペイペイドーム

梅雨明けまだ遠い福岡の雨空のようにソフトバンク打線は湿った。1点差の惜敗だが、タイムリー打もなく3安打に終わった。交流戦から低調打線が気がかりではあったが、なかなか厳しいリーグ戦再開である。

9回裏ソフトバンク2死一、二塁、試合を見つめるソフトバンクナイン(撮影・屋方直哉)
9回裏ソフトバンク2死一、二塁、試合を見つめるソフトバンクナイン(撮影・屋方直哉)

ちょうど1年前の6月19日、新型コロナウイルスの影響で約3カ月遅れて2020年のプロ野球が開幕した。待ちに待ったプレーボールだった。振り返ってみれば、長いこと待たされたものだと思う。通常のシーズンであれば、今季のようにセ・パ交流戦も終え、両リーグ前半戦の正念場の戦いを迎える時期。そう、まさに今である。昨年の6・19開幕戦はロッテを相手に延長10回サヨナラ勝ちした。飛躍のシーズンとなった栗原が初の開幕スタメンに名を連ね、サヨナラ打を放ってヒーローとなった。ベテラン長谷川も左翼の守備でダイビングキャッチの好守を見せ、ピンチを救った。試合に飢え続けた闘争心がナインを奮い立たせたのかもしれない。

試合終了後、ベンチに座り込むソフトバンク長谷川(撮影・屋方直哉)
試合終了後、ベンチに座り込むソフトバンク長谷川(撮影・屋方直哉)

ホークスは得意のはずの交流戦は予想外の11位に低迷した。4日間のリフレッシュ期間があったとはいえ、チーム好転の気配は薄く、厚い雲に覆われたかのようでもある。1点を追う9回裏2死一、二塁から5番長谷川は左飛に倒れた。ナインが引き揚げた後も長谷川はなかなか一塁側ベンチを後にしなかった。開幕戦やキーポイントとなる試合では必ずと言っていいほど力を発揮してきたベテランだけに、自らのバットで勝利を運べなかった悔しさが募ったことだろう。長谷川に限らず、この悔しさを肥やして力に変えるしかない。あれだけ待たされた6・19プレーボールの喜びは忘れていないはず。戦える喜びをかみしめ、苦境を脱してもらいたいものだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】