ピンチはチャンスだ。楽天石井一久GM兼監督(47)にぶれる気配が全く見られない。11日阪神戦から交流戦明け休みを挟み、22日西武戦まで2年ぶりの7連敗。日に日に、ネガティブ傾向に陥る報道陣の質問に対し、はっきりと言い切った。

石井GM兼監督 皆さん「1位になった」「2位になった」とその瞬間瞬間で僕に聞くんですけど、あんまりそこに興味はなくて、それよりも今は順位としてよりも、チームとして目の前の1試合1試合を勝つということの方が大事。あんまり遠くの目標を見据えて、あんまり今現実的じゃないスケジュールの場所を見ながらやるのもちょっとまた足をすくわれる。とにかく1戦1戦やっていかないといけないかなと思います。

勝負の世界。大波小波に連なる多様なリアクションへの受け入れ態勢は、とっくのとうにできている。

石井GM兼監督 僕はけっこう困難が好きな方なので、難しければ難しいほど臨みたくなるし、それを覚悟した上で引き受けた。シーズンは楽しいことなんか1つもないので、困難の連続でやっていく中で、選手にしっかりと成長して、打破して、最終目標にたどり着けるところまで僕はサポートするだけ。

シーズンは折り返し地点を迎えた。オールスター、東京五輪が明けると、目の前の1勝、1敗に一喜一憂せざるを得ない状況が次々と迫り来る。

石井GM兼監督 困難って、黙っていても必ず過ぎ去るんですよ。でも、今のベンチを見ていると、過ぎ去ることよりも困難の壁を打ち破ろうとしている姿がしっかりと見られる。それが選手の栄養素になる。今の困難は、シーズン後半に大事な困難じゃないかなと思います。

どんな道中を走ろうが、ゴールテープを1秒、1ミリでも速く切ればいい。どっしりと構える指揮官の存在が、チームに安定感をもたらしている。【桑原幹久】