<ソフトバンク1-3ロッテ>◇14日◇ペイペイドーム

こんな気持ちになるのは何年ぶりだろうか。ソフトバンクが「勝負の3連戦」の初戦で痛すぎる星を落とした。ソフトバンクにとってペナントの火は消えてしまったのだろうか。

エース千賀が中5日で奮投した。自己最多タイとなる14三振を奪った。だが、それ以上に首位を走るロッテは手ごわかった。同点の8回に千賀が力尽きた。2死満塁からレアードに2点適時内野安打。打線は牧原大の初回、先頭打者アーチの1点のみ。勝ち越しを許した直後の8回裏の攻撃は2番中村晃から始まる絶好の反撃機。佐々木千の前に中村晃、柳田、栗原の主軸が7球で倒れた。9回はデスパイネ、代打の長谷川、川島が3者連続三振。食い下がることすらできずに敗戦のコールを聞いた。

数字を追えばため息が出る。反攻どころか、日本ハム戦(札幌ドーム)から3連敗。9月は4勝5敗1分けで借金生活。通算勝敗も46勝48敗18分け。気づけば借金が積み上がっている。首位ロッテとは7・5ゲーム差となった。残り31試合、「王者」としての意地は見せてくれるのだろうか。

目指す逆転Vロードはイバラの道どころか、行き止まりの感すらある。照らす光もかげり始めたが、それでも「戦意」は失うわけにはいかない。チーム内にあきらめの気持ちが充満すれば、AクラスどころかBクラスに甘んじる屈辱が待ち受ける。就任7年目。3度のリーグVと5度の日本一に輝いた工藤監督にとっても最大の試練に直面した。だからこそ、チーム復元の力を見せてほしい。球場に足を運べない多くの鷹ファンの願いでもあろう。

今日15日は1年前に急逝した川村隆史コンディショニング担当(享年55)の命日。逆襲の起点となる日にしたい。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

ソフトバンク対ロッテ ロッテに敗れ、ベンチ裏に引きあげるソフトバンクナイン(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対ロッテ ロッテに敗れ、ベンチ裏に引きあげるソフトバンクナイン(撮影・梅根麻紀)