ヤクルトのセットアッパーがストレス太り!? 清水昇投手(24)が2年連続タイトル獲得に向けて、突き進んでいる。現在38ホールド。球団記録だった35ホールドを上回った。優勝争いの中、緊迫した場面での登板が続く。「去年とは別の感覚というか。毎試合本当に僅差の試合しかないので、毎日緊迫した場面で投げるという覚悟はしている。怖さはやっぱりありますけど、こんだけ勝てるというのはすごくうれしいことでありますし、自分の経験にもなりますし、自信にもなる」と真っすぐ前を見た。

安定感の裏に、体の変化がある。体重が5、6キロ増。直球の威力が増した。だが、食事量を増やしたり、筋力トレーニングで意図的に増やした訳ではない。意識せず、体が大きくなっていった。その要因を聞かれ「ストレス…」と笑った。

精神的な変化もある。今季初めてオールスターに選出。他球団の投手陣たちに“取材”をして回った。「基本的には全員にお話を聞かせてもらった。新しい発見があったかなという感じがします。抑え方の感覚の問題ですかね。神宮球場という狭い球場に関して、自分自身はこうという抑え方で、他の球団だと狭いからこそどういう配球だったり、どういう攻め方というお話」と説明する。打者との対戦で、攻め手に詰まったときは、全力投球で投げ込むことが多かった。助言を聞いて方針転換。より丁寧にいくようになってきた。心の余裕を持って考える。メンタルの成長が、躍進を生んだ。「後半戦僕が投げている試合は結構僅差であったり、同点だったりという試合が多いんですけど、今までだったらものすごく緊張してマウンドに行って、打たれたらどうしようと考える部分もあった。そこは開き直って、今までたくさん準備してきたし、やってきたことは間違いないと言い聞かせながらマウンドに上がっている感じです」とうなずいた。

現在チームは首位。清水が投げる試合が多ければ、それだけ優勝に近づいてくる。体も心も大きくなった今季。自分の仕事を全うして、守護神へつなぐ。【ヤクルト担当=湯本勝大】