<ソフトバンク7-8西武>◇30日◇ペイペイドーム

逆襲に向けたサドンデスともいえる戦い。ソフトバンクにとって9月のラストゲームは「激闘」となった。シーズン143試合、楽な試合はない。ましてや4位からの急浮上を目指すチームにあっては、限られた残り試合は全勝の気合で挑むしかない。

2点をリードした9回、西武の猛反撃に遭った。守護神森が2点を失って試合をひっくり返された。9回裏は先頭デスパイネが中前打で出塁。だが、西武平良にねじ伏せられ白星をつかむことはできなかった。ゲームセットまであきらめない気持ちは、4連敗中の西武が勝ったということだろう。ホークスにとっては痛すぎる逆転負けとなってしまった。

3点差をひっくり返し、7回には1点を加えて逃げ切り態勢に入った。「勝利の方程式」である岩崎、モイネロとつないで最後に暗転。必勝の形は作った。痛恨の1敗ではあるが、切り替えるしかないだろう。

借金4まで膨れ上がったとき、工藤監督に何とも心強い知らせがあった。俳優であり山梨・北杜市で農業にも挑戦している長男・阿須加(30)から連絡があった。丹精込めて育てた作物が秋の収穫時期を迎える。シーズンが終わるまでに、父親に手作りの野菜をプレゼントしたい-。チームの奮起も願ってのメッセージだった。

可能性がある限り、必勝を誓うのは指揮官として当然だろう。息子の気持ちに押されて工藤監督もさらに闘志を強くしたはずだ。まだまだBクラスに甘んじているとはいえ、ファイティングポーズを崩すわけにはいかない。今日1日からはオリックスと敵地・大阪で3連戦が待つ。逆襲の「大阪の陣」へさらに強い気持ちで乗り込んでもらいたい。【ソフトバンク担当 佐竹英治】