11月7日、午後5時7分。ロッテのCSファイナルステージ進出が決まった瞬間に、1通のメールが届いた。「よろしければ9日朝に、電話出演をお願いしてもよろしいですか?」

本拠地ZOZOマリンの近くにスタジオを構えるラジオ局「BayFM」の担当者氏からだった。CSファイナルに向けてのお話を、とのことだった。

さて11月9日朝、当日だ。前乗りした大阪・なんばのホテル。ほぼ寝起きの放送のため、声が出るかが何より心配だった。周りに響かぬよう、浴室でアンジェラ・アキさんの「手紙」を熱唱。音程に動きが多い曲でのどを動かす。

ディレクター氏から電話がかかってきた。「お声のチェック、お願いしま~す」。えっ、何それ。無言。数秒後に「数字を1から順に言ってください」との説明。1、2、3、4…。しかし電話でDJとつながり、それが電波に乗るなんて。通信はすごい。

交通情報を聞きながら、出番を待つ。6号箱崎までは4キロか。お気楽に渋滞の動き方をイメージしていたら、DJ有馬隼人氏とつながった。「金子さん、よろしくお願いします」。

「おはようございます」

第一声が思いの外、低くなった。完全に置きに行ってしまった。昨年の石垣島キャンプで、選手や首脳陣の前で「ダイナミック琉球」を熱唱した。この時も、入りの音程を音符1~2個分間違え、最高音が苦しくなった。歌い終え、拍手しながら数メートル前で仁王立ちする井口監督の表情は一生忘れない。

入り、と書いて「はいり」。入りって難しい。井口監督もCS前、初回の攻撃を念頭に言及した。

「このチーム、なかなかエンジンのかかりが遅いので、初回からしっかりとみんなでやっていきたいと思っていますし。残り20試合くらいの時から非常にいい入りができるようになってきましたので」

最初に場の空気が固まってしまうと、そこから流れを動かすのは難しい。ファーストステージに限れば、エチェバリアや山口の本塁打が極めて大きな「劇薬」になった。オリックスの強力先発陣に対し、誰が流れを動かすか。未来のために、それが若手選手であってほしいと期待する。

ラジオ出演に関しては入りを失敗し、声質もテンションも方針が固まらず、必死の反撃も及ばず「1得点での完投負け」の気分だ。1年間、必死に戦ってきた選手たち。オリックス戦での空気の扱い方もつかんでいるはず。やり返す番だ。【ロッテ担当 金子真仁】