中日立浪和義新監督(52)が陣頭指揮を執ったナゴヤ球場での秋季キャンプが終わった。11月4日から26日までの約20日間。初日にシーズンの疲労から福の肋骨(ろっこつ)骨折が判明した以外は、大きなケガ人なく乗り切った。

「しっかりしたキャンプができた。来年期待して欲しい」。4日のファンとの交流イベント「竜陣祭」に出席した立浪監督は100点をつけた秋季キャンプを振り返った。

個々のレベルアップをテーマに掲げたが、大なたも振るった。高橋周には最低20本塁打をノルマに中村紀打撃コーチらと打法改造に着手。連日、内野ノックでの下半身強化に、1時間近いフリー打撃でフォーム固めを行った。これは、京田や木下拓にも課し、キャンプフル参戦したA・マルティネスも音を上げず完走。途中にはビシエドを呼びコーチ陣らと打撃フォームの確認をした。「球を呼び込んで打てれば30~40本は打てるスイング」。自らトスを上げ、主砲のモデルチェンジを促した。

若手にも容赦ない。主砲候補生の2年目石川昂らにも連日の打撃練習を課し、フォームをチェック。3年目の根尾には来季の外野専任を命じた。「バンテリンドームは、投手にいい条件がそろっている。セでは5球団とも打てている人はいない。克服しないといけない」。来春のキャンプでは、クールごとにミーティングを開き、得点圏での打者の意識改革などを推進させる予定だ。

二塁、右翼、左翼を空け、競争意識を植え付けている。「強いチームを作り、勝つ野球をする。しっかりとした自分の方針を貫く」。新型コロナウイルス変異株の影響で中日の新外国人獲得調査も一時ストップしているが、逆に指揮官があおる競争意識が打線覚醒に影響を与えそうだ。【中日担当=伊東大介】