「ポスト誠也」。来季の広島で大きな注目ポイントに挙がっている。今季まで4番にどっしりと座っていた鈴木誠也外野手(27)が、メジャー挑戦を表明。チームの顔ともいえる4番に新たに誰が抜てきされ、定着するのか、春季キャンプ、オープン戦と目が離せない。

個人的にも楽しみにしているのが、林晃汰内野手(21)だ。高卒3年目の今季ブレークした。102試合で376打席に立ち、95安打をマーク。打率2割6分6厘、10本塁打、40打点をたたき出した。鈴木誠の高卒3年目は97試合に出場し、238打席で58安打、打率2割7分5厘、5本塁打、25打点。主砲はその翌16年にレギュラーに定着。打率3割3分5厘、29本塁打、95打点を記録しただけに、林の4年目への期待感は増す一方だ。

鈴木誠は、林の野球へ真摯(しんし)に取り組む姿に感心を寄せていた。「頑張っていたと思う。まずは一生懸命がむしゃらにやる姿があって、ミスしても頑張る姿があるから、次も使ってみようかなとなると思う」。シーズン中は試合前の打撃ローテでコンビを組み、熱心に助言する姿が何度も見受けられた。「うまくなりたい」という林の言動に、若手時代の自分が重なる部分があったのかもしれない。

林のさらなるレベルアップへ、主砲は「失敗のススメ」を説いた。今後磨いていく部分については「考え方ですね」と指摘。「失敗は失敗でいいと捉えて、次につながる考え方であったり、そういうところができてくれば、自然と結果がついてくると思う。能力だけじゃやっていけない世界。晃汰にとっては大事だと思う」と説明した。

失敗を重ねながら、理想を追い求め続けることが、成長への鍵を握る。「晃汰自身が思っている選手になれればいいと思う。僕もどんな選手になるか分からないし、まだまだやることはいっぱいある。いろいろやることが全部プラスに動く年齢。いろんな失敗をマイナスと思わずやってほしい」とエールを送った。

林が「ポスト誠也」の座を奪い、新たにチームの顔となれるか、胸が高鳴る。【広島担当=古財稜明】