<日本ハム12-5ソフトバンク>◇22日◇札幌ドーム

桜前線は、ようやく津軽海峡を渡って北の大地に上陸した。道都・札幌の開花予想は23日という。昨年より1日遅く、平年と比べれば1週間ほど早いという。

もう1カ月も前になる。福岡は花吹雪が舞っていた。BIGFACEことソフトバンク藤本、日本ハムのBIGBOSS新庄の「新監督対決」で今季の幕開けとなった。ホークスは3連勝。開戦前から何かと話題をさらったド派手監督は悔しさをかみしめ博多を去った。対照的にホークスは勢いに乗って開幕8連勝。快進撃を続けた。文字通り満開の開幕ダッシュだった。

ただ、8連勝後は厳しい戦いが続いている。前日21日、エース千賀がオリックスに完封目前で追い付かれると、延長11回に新ストッパーのモイネロ投入も痛恨のサヨナラ負け。移動ゲームとなった敵地・札幌での日本ハム戦は前半の大量失点が響き大敗。終盤には先発オーダーから5人が交代。典型的な大敗ゲームのベンチワークとなった。これで今季初の3連敗。4月は6勝8敗1分け。貯金を切り崩す4月家計になってしまうのだろうか。

打線は日本ハムを上回る17安打を放ったが5得点。6回からの3イニングで10安打を放ちながら各1点の3得点。「つながった」と打撃上昇に胸をなで下ろすわけにはいくまい。どちらかと言えば、得点効率の悪さの方が残ったのではないだろうか。試合前。藤本監督は積極的にファーストストライクからバットを振ってくる日本ハム打線に警戒を強めていた。打者出身の監督らしく、眼力は確かだった。初回、先発レイに対して1番近藤から4番野村まで初球を打ってきた。5番渡辺の併殺崩れで1点を先制された直後、万波にまたしても初球を3ラン。2回に3点を献上し、ほぼ試合は決まった。「積極性」は無謀と「もろ刃の剣」だが、貫く姿に最下位ハムにも光明がかすかに見えてきた。1カ月前とは対照的な姿に映った。【ソフトバンク担当 佐竹英治】