4カ月前は、正直想像もしていなかった。球界最小兵選手で育成ドラフト2位の西武滝沢夏央内野手(18)が、支配下登録を勝ち取り、即デビュー。プロ初安打でお立ち台に上がると、翌日は同点三塁打。2日連続のヒーローとなり、本紙東京版(宅配)の1面を飾った。3試合連続スタメン出場となった15日、ベルーナドームには「62」のユニホームを着たファンの姿も。わずか3日で世界は激変していた。

昨年12月10日に行われたドラフト指名後の入団会見。ぶかぶかのユニホームを着た身長164センチの滝沢は、実に初々しかった。背番号は「126」。「大きい人ばかりなので、なんか自分だけ浮いているような感じがします。けど、ここからなので、身長は関係ないところを見せられるように頑張りたい」。その言葉にうそ偽りはなく、不動のレギュラー源田の負傷離脱というタイミングもあって、支配下登録からデビューを果たした。

15日は、楽天則本の勝負に徹した全球フォークで2打席連続空振り三振に打ち取られたが、一流のすごみを肌で実感。文字通り、成長過程のど真ん中にいる。

今年1月、入寮直前に地元・新潟の神社に初詣に行き、引いたおみくじは大吉だったという。「最初は苦労するけど、最終的には実るというようなことは書いてあったので、しっかり上を見ていろんなことを吸収して頑張りたい」と言っていた滝沢。「令和の牛若丸」は、壁にぶち当たりながら乗り越えていくに違いない。【遊軍=栗田成芳】

ヒーローインタビュー後の記念撮影で、初のお立ち台の西武滝沢(左)は、「向こうを見るんだよ」と中村から教えられる(撮影・浅見桂子)
ヒーローインタビュー後の記念撮影で、初のお立ち台の西武滝沢(左)は、「向こうを見るんだよ」と中村から教えられる(撮影・浅見桂子)