ラオウがご機嫌な理由があった。オリックス杉本裕太郎外野手(31)が29日ロッテ戦(ZOZOマリン)で放った同点3ランは、中身が劇的だった上、数値でも驚異のものが計測されていた。

3点を追う9回無死一、二塁。フルカウントから守護神益田のスライダーを完璧に捉えた。「甘い球が来るのを我慢しながら打てた。一発で仕留められた」。左翼ポール際に伸びる白球を「確信歩き」で見届けた。納得の手応えだった。

初回の12号2ランと合わせ、今季初の1試合2発となったが、試合後、驚愕(きょうがく)の事実を知る。9回の本塁打の打球速度は自己最速の190キロだった。「今までは180キロが最速だったので、すごくうれしい」。190キロといえば、メジャーリーガーと肩を並べる数値。今季101試合で41発を記録しているヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(30)クラスだ。

「会心の当たりだった」と喜んだ昨年の本塁打王。この笑顔があれば優勝戦線を勝ち抜いていける。【オリックス担当=真柴健】

ロッテ対オリックス 9回表オリックス無死一、二塁、左越え3点本塁打を放つ杉本(撮影・鈴木みどり)
ロッテ対オリックス 9回表オリックス無死一、二塁、左越え3点本塁打を放つ杉本(撮影・鈴木みどり)