日本ハム松本剛外野手(29)は初の首位打者獲得へラストスパートに入った。10日西武戦(ベルーナドーム)を終えた時点の成績は405打席に立ち、361打数126安打で打率3割4分9厘はリーグトップをキープしている。

高打率を維持して初タイトルを手にするには、シーズン規定打席の443打席(143試合×3.1、小数点以下は四捨五入)に到達する必要がある。残りは38打席で、チームは残り17試合。順調にスタメン出場を続ければクリアできる数字だが、7月下旬に骨折した左膝は万全ではない状態での出場が続いている。

ただ、松本剛がシーズン規定打席に到達できなくなってしまっても、首位打者になる可能性は残る。

首位打者、最高長打率、最高出塁率の基準が決められている野球規則の9・22には、次のように記されている。

「ただし、必要な打席数に満たない打者でも、その不足数を打数として加算し、なお最高の打率、長打率、出塁率になった場合には、この打者がリーグの首位打者、最高長打率打者、最高出塁率打者となる」

現状の松本剛に当てはめた場合、シーズン規定打席に満たない38打席を全て凡打で加算すると打率は「3割1分6厘」。この数字が、10日時点で松本剛の今季打率の“最低到達ライン”と仮定することができる。

この数字はシーズン規定打席到達までは、凡打しても下がることはない。安打1本当たりで約2厘5毛、四死球と犠打と犠飛は1つずつ記録していくごとに約8毛が打率の上乗せされる。仮に次の試合で4打数1安打1四球なら、現状の打率は3割4分8厘と1厘落とすが、最低ラインは3割1分9厘にアップする。

首位打者争いで2位のオリックス吉田正は10日時点で3割2分1厘。昨季まで2年連続首位打者の実力者なら、ここから打率を急上昇させることも十分想定される中で、どんな決着を迎えるのか。推測可能な松本剛の打率“最低到達ライン”に注目しながら、日本ハム担当としては初タイトルに“当確”が打てる日を楽しみにしたい。【日本ハム担当 木下大輔】