<オリックス5-2ソフトバンク>◇10日◇京セラドーム大阪

デーゲームの西武が延長戦で日本ハムに敗れたため、ソフトバンクは混戦脱出のチャンスだった。もちろん、ゲーム差なしで3チームが並んでいたのだから、対戦相手のオリックスも同じ好機であった。試合前。報道陣に対応した藤本監督は「強い気持ちでやる」「悔いのないようにやるだけ」とミーティングで選手たちを鼓舞したことを明かしていた。

難敵のオリックス先発山本から初回に失策がらみではあったが1点を先制。主導権を握った。だが、リーグのハーラートップを快走する右腕を完全攻略することはできなかった。2回以降は0行進。7回に今宮の1発が飛び出したものの、焼け石に水。対照的に先発板東が2回から毎回得点を許し5回途中5失点でKOされた。今季、4点差逆転がないホークスにとって、苦いイニング消化となった。「一戦必勝」を誓いながら地獄の11連戦の初戦で黒星発進。何とも苦しいV奪還の最終ロードとなってきた。

5回裏、先発板東の交代を告げたソフトバンク藤本監督はベンチで頭をかく(撮影・和賀正仁)
5回裏、先発板東の交代を告げたソフトバンク藤本監督はベンチで頭をかく(撮影・和賀正仁)
5回裏の途中で降板するソフトバンク先発板東。右は2番手の泉(撮影・和賀正仁)
5回裏の途中で降板するソフトバンク先発板東。右は2番手の泉(撮影・和賀正仁)

ホークスがパ5球団で唯一負け越しているのがオリックス。これで対戦成績は9勝11敗となった。気になるのは敵地・京セラドーム大阪では今季2勝7敗。まさに「鬼門」となってしまっていることだ。さらに不気味なのは11連戦の終盤にも、ここ京セラドーム大阪で3連戦があるのだから何ともおぞましい。

プレーボールの20分ほど前だった。バックネット裏にあるオーナーズルームにオリックス宮内オーナーが入っていった。今季限りでオーナー退任を表明している宮内オーナーにとってはリーグ連覇と昨年果たせなかった「日本一」で花道を飾りたいところだろう。3年前だったか。低迷するチームに「クレイジーになれ!」と大ゲキを飛ばしていた。敵総帥の言葉だが、今はホークスナインが胸に刻み厳しいV戦線を乗り越えてもらいたい。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

オリックスに敗れ、ベンチから引き揚げるソフトバンクの藤本監督とナイン(撮影・和賀正仁)
オリックスに敗れ、ベンチから引き揚げるソフトバンクの藤本監督とナイン(撮影・和賀正仁)