中日立浪和義監督(53)の就任1年目は、6位で終わった。66勝75敗2分けの借金9。優勝したヤクルト、広島に勝ち越して作った貯金9は、DeNA戦の6勝18敗の負け越しなどで消えた。チーム防御率はリーグ2位の3・28。チーム打率は2割4分7厘と4位ながら、62本塁打、414得点はリーグ最下位だった。

「ここ1本が今年も打てなかった。昨年からの課題はクリアできなかった。最下位になった原因だと思う。監督就任1年目でみなさんに期待していただいたが最下位というこの成績は自分の責任」。NPB歴代8位、通算2480安打の打撃職人は、就任直後から打線のてこ入れを口にしてきただけに、打力向上に力が及ばなかったことに肩を落とした。

今季は若手の起用重視、対話重視を前面に出した。高卒3年目の石川昂、岡林、新人鵜飼らを積極的に起用。岡林はチーム最多の142試合に出場し、イチロー以来の高卒3年目での最多安打のタイトルを獲得した。しかし、石川昂はケガで、鵜飼も不振などでシーズン完走はできなかった。シーズン中に、京田を遠征中の試合途中に名古屋に強制送還するなどのカンフル剤も空振り。「チームに刺激を入れるために、京田をああいう形で叱咤(しった)もしてきたが、何も変えられなかったのが反省。選手の力を発揮させられなかった」と、振り返った。現役終盤に兼任コーチを務め、WBCコーチも務めたが、一からチームを任されたのは初めて。現役引退から12年間チームに携われなかったこともマイナスに作用した。

来季に向けて、現地視察などドラフト補強にも積極的で、新外国人の獲得にも目を光らせている。みやざきフェニックス・リーグ、秋季練習、キャンプでの若手の底上げにも力を注ぐ。「今年は何とかレギュラーに育ってもらいたいとやっていた。打てなくても使っていた。来年からは、勝ちにいく。良ければ使うし、レギュラーを与えることはしない」。2年目の逆襲へ向け、立浪監督は選手すべてに競争意識を高めさせることを誓った。【中日担当 伊東大介】