阪神栄枝裕貴捕手(24)が、試合前の声出し役で絶妙な味を出している。8日のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ初戦から3試合連続で務め、チームは2勝1敗でファイナルステージ進出。徹底したイジられ役でチームの雰囲気を明るくさせている。

球団公式インタグラムに一部始終がある。8日の映像には、いまいち盛り上がらず「イトさんお願いします!」と先輩の糸原に助け舟を求めるシーンがあった。

糸原はすぐには動かず、困り果てた栄枝は「十八番」の一発芸を披露。「あ~いあい、あ~いあい、大きめのハンドル」と言いながら、運転するように腕を大きく回す芸なのだが「あ~いあい、あ~いあい」と途中のタイミングで糸原が登場し、「さあ、いこう!」と締める。

「一発芸不発」から「糸原登場」の一連の流れがルーティン化しつつある。

栄枝はチームのために体を張る男だ。2軍でバッテリーを組んだ投手が1軍で活躍すれば、「自分が活躍するよりもうれしい」と言う。昨年2月の春季キャンプでは、現在不発に終わっている「大きめのハンドル」を披露。そのシュールな動きでナインの笑いをかっさらった。

そして、突破を決めた10日の試合前には、さらなる細工もしていた。サングラスをかけて登場。声出しの途中で外すと眉間が黒く塗りつぶされた“ゲジ眉メーク”が現れた。そして、こう続けた。

「今日のテーマは『つながり』です。打線のつながりなどいろいろありますが、こっから優勝につなげていきましょう。そういう試合を今日やって、今日絶対勝ちましょう!」

いつものごとく、ナインはシーン。さらに「あ~いあい、あ~いあい」と始まったタイミングで糸原に軽いタックルを食らい退場した。

2試合連続でベンチから外れても、やれることはある。声出しを終え、井上ヘッドコーチや近本に健闘をたたえられる姿は、どこか誇らしげだ。矢野監督が言い続ける「ドラマ」には、こんな名脇役も欠かせない。【阪神担当 中野椋】

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