ソフトバンクの秋季宮崎キャンプも6日が第1クール最終日となった。現地入り前に「地獄」と形容された鍛錬の日々だが、A組野手陣は打撃メニューの濃さが目立つ。「振り込みの秋」ということか。V逸シーズンの課題となったチーム打撃や、バントなど細かい詰めはまだまだだ。

午後3時すぎ。サブグラウンドにB組野手の10人が集合した。小久保2軍監督は、ストップウオッチを手に声をからしながら選手たちにハッパをかけていた。1本目65秒、2本目が70秒以内で走りきるように設定された400メートル走。「ほぼ全力で走らないといけないタイムなので、かなりしんどいはず」。最後の1秒まであきらめない気持ちを持たせるためだろうか。必死の形相でトラックを駆ける選手以上に「行け! 行け! 行け!」と並走しながら声を張り上げる小久保2軍監督の声は耳をつんざくばかりのトーンとなった。10人すべてが2本ともタイム内で走りきった。

B組は今キャンプのテーマを「鍛える」とし、小久保2軍監督から選手たちに意向を伝えられた。ウオームアップから体幹メニュー、サーキットトレなど約1時間半のトレーニングの後にようやくボールを使った練習が始まる。「昨年の秋は『型をつくれ』をテーマにしたが、その前に選手に体力がなかった。やっぱりまずは鍛えることが先」。小久保2軍監督も1年間のファーム監督経験をもとに練習メニューを再考した。B組野手は10人中7人が3ケタの背番号。技術もさることながら、まずは体力強化が最優先。「課題」を克服してこそ、次のステージが見えてくる。「フェニックスリーグ中にリチャードも400メートル走を70秒で走った。やればできる。あれには感動した。みんなにも言ったし、だから負けられないとなったかも」。プエルトリコのウインターリーグに派遣されているロマン砲の踏ん張りも刺激になったのかもしれない。常勝復活の礎は若手の台頭。この秋、若鷹もしっかり爪を研いでもらいたい。【ソフトバンク担当 佐竹英治】