初めて取材に臨む春季キャンプのため、23日に沖縄入りした。初日こそ沖縄らしい温暖な気候に、南国気分を味わったが、24日からはその空気は一変。列島を10年に一度の大寒波が襲い、その寒気は南国にまで届いた。連日雨天が続き、先乗り自主トレは屋内練習がほとんど。最高気温15度前後の日が続く中、出発前に荷物に加えるか悩んだ末、メンバー入りを果たしたフリースが連日、主力として大活躍している。

予想以上の肌寒さを感じる一方で、選手の表情や言動には熱気が帯びている。先乗り自主トレに参加する選手を取材する中で、よく耳にするのは「2月1日に合わせて」とのフレーズ。プロ野球の春季キャンプとしては異例の、初日に予定されている紅白戦に照準を合わせて調整を進めていることを意味している。そこに向けた意気込みを語る選手の口調からは緊張感も漂っていた。

昨季から投打の二刀流に挑戦している上原健太投手もその1人。昨年の秋季練習では打撃練習に打ち込む姿も目立ったが、名護での先乗り自主トレ期間中は、ブルペンで見かけることが多かった。「2月1日に投げるって言われたので。先にこっち(投手)で結果残さなきゃ1軍にいられない」。限られた開幕1軍入りを懸けた激しい競争が、南国の地で繰り広げられる。オフで遂げた成長をアピールし、新庄監督の開幕メンバーに“合格”できるか。その最終テストの模様を気を引き締めて取材したい。【日本ハム担当 石井翔太】