日本ハムのスローガンは2年連続で新庄剛志監督(51)が決めた。昨年の「ファンは宝物」から今年は「新時代 FANS ARE OUR TREASURE」へ。チームとファンへの愛を、ぎゅっと凝縮。春季キャンプイン前夜の1月31日。昨年と同じように、沖縄・名護の夜空を彩った花火にも、そんな愛情が込められている。

新庄監督は言う。「僕がいなくなっても毎年やってもらえるような。沖縄の、名護のみなさんにも見てもらいたい。一種の花火大会みたいなもので、喜んでもらえたらうれしいな」。これから何年先も続き、名護の名物に-。「生まれ変わろうとしている人や選手が、花火を見て頑張ろうと思ってもらえたらうれしい」。毎年、陰でキャンプを支えてくれる名護の人たちへ、感謝を込めた新庄監督からのプレゼントだ。

2年目の今年は、よりグレードアップしていた。テレビ中継のため名護入りしたタレントの手越祐也(35)は、「きつねダンス」でオープニングを彩った名護高校ダンス部の練習を見学したという。地域を巻き込んだ取り組みは思わぬ形で波及効果を生み、高校生たちに一生の思い出をもたらした。

名護との付き合いは長い。今でこそ多くの球団が沖縄でキャンプを張るが、日本ハムはその先駆けだった。79年に投手陣だけの春季キャンプを名護球場で行ったのが始まりだ。プロ野球のスタンダードを作った日本ハムが今季、掲げる「新時代 FANS ARE OUR TREASURE」。チームは3月に新球場「エスコンフィールド北海道」の開業を控える。キャンプイン前夜、約2200発の花火が、ファンとともに歩む新たな歴史の始まりを告げていた。【日本ハム担当 中島宙恵】