<球春みやざきベースボールゲームズ:西武3-1ソフトバンク>◇2日◇宮崎アイビースタジアム

ソフトバンクはキャンプ地・宮崎での最後の対外試合で西武に逆転負けした。この時期の勝敗はこだわることはないが、前日1日のロッテ戦に続いての連敗。まだまだ選手それぞれの調整具合を確認する時期ではあるのだが、練習試合とはいえ、やはり勝ってもらいたかった。キャンプインに合わせて王会長が強い口調で訓示した「勝負に徹しろ」という気持ちは、まだ醸成されてはいない気がした。

巨人、そしてホークスで長く監督を務めた王会長だけに開幕に向けたチームの仕上げ方は熟知しているはず。それでもキャンプ中盤からは「投手と野手、とにかく勝負、勝負」と呪文のように訴えたのは、あと1勝でV逸した昨年の悔しさが、年が明けても胸に充満していたからだろう。調子うんぬんではない、勝負の厳しさを練習の中でしっかりと選手たち、いや首脳陣にも植え付けたかったのではないだろうか。

試合後、藤本監督もオープン戦でのサバイバル戦を言明していた。「競争」をテーマにした宮崎での1カ月間は終わった。開幕まで1カ月を切って、チーム内の「激戦」に火が付くのか。単なる振るい落としに終わってはいけない。新加入のガンケル(阪神)、有原(レンジャーズ)がそろって登板した。ともに無失点だったが、ガンケルは2回3安打2四球。有原も直球の精度はまだまだのようだった。「これからは、(ガンケル、有原の)2人も当然、勝負になってくる。先発ローテに入るならばしっかり投げてもらわないと」。森ヘッドコーチは厳しい口調で言った。及第点には至っていないということだろう。

B組はこの日がキャンプ打ち上げ。午前で練習を終え、バスで福岡に戻った。若手の突き上げに腐心する小久保2軍監督は「技術練習は永遠に続く。(若手選手は)脳に占める野球の割合が9割以上ないといけない」と言ってキャンプを締めた。必勝を義務づけられた藤本監督と、巨大化した戦力にも「新しい力」を送り込まなければならない小久保2軍監督。いよいよ勝負の1年が始まる。【ソフトバンク担当 佐竹英治】