阪神ドラフト6位富田蓮投手(21=三菱自動車岡崎)は気遣いができる男だ。

そう感じたのは、同4位戸井零士内野手(18=天理)の誕生日の1月18日だった。その夜、ケーキを持った戸井を同期入団の森下、門別、井坪、茨木、富田、育成野口が囲んでいる写真が、各自のInstagramのストーリーでアップされた。選手たちに聞くと、サプライズを提案したのが富田だという。

後日、富田に尋ねると「同期は今後もめっちゃ大事な存在になってくると思う。最初に同じプロの世界で入る仲間をライバルだけど大事したいし、祝いたくて」と説明。自分でケーキ店に連絡して手配し、サプライズを成功させた。

練習中も行動力の高さが目立つ。ブルペン捕手や先輩に積極的にコミュニケーションを取る姿が目に留まる。「捕手がいないと自分も投げられないし、後悔のないようにしたい。自分の癖やタイプを伝えていきたい」。その言葉から自分の現在地、そして周りをよく見て動けているのだと感じる。

2軍でアピールを続け、キャンプ中盤に1軍に合流。2月25日のヤクルトとのオープン戦では、2回を無失点にまとめ、岡田監督から高評価を得た。現在は開幕中継ぎ枠争いで生き残りをかけており、6日の侍ジャパン強化試合(京セラドーム大阪)でも登板予定。「今持っている自分の力を出せることを心掛けてやっていきたい」。仲間思いの背番号50がアピールを続けていく。【阪神担当 三宅ひとみ】