<ソフトバンク6-5ロッテ>◇27日◇ペイペイドーム

ソフトバンクが延長12回、サヨナラの劇勝で首位ロッテとの初戦を取った。先発石川の乱調で3点を追う展開となったが、4回に追いついた。再び5回に引き離されたが牧原大の復帰弾でしぶとく試合を引き戻すと、キャプテン柳田が最後の最後にゲームを決めた。3点ビハインドをはね返しての逆転勝利は今季初めて。昨年も3点差の逆転は1試合しかなかっただけに、粘りの勝利ともいえる。

4番柳田はバットもさることながら、勝利への執念を見たのは4回に見せた「必死の走塁」だったように思う。先頭で右前打すると続く栗原も右前打で続いた。牧原大は見逃し三振に倒れて1死一、二塁。7番柳町の中飛で柳田は迷わず三塁へタッチアップ。センター岡はほぼ定位置での捕球だったが、キャプテンは果敢に走った。「自分がまだ若いと勘違いしてしまいましたね」。試合後、タッチアップをそう笑ったが、ネクストバッターボックスに控えていた8番川瀬はうなった。「ああいうところが、ギー(柳田)さんのすごいところ。あれはすごかったし、僕も打席での気持ちが違った」。一、三塁となって川瀬は149キロの直球を左前へ運び、反撃のタイムリーとした。「一、二塁のままだったら、僕のヒットでもホームへはかえれなかったと思う。(一、三塁になれば)相手投手へのプレッシャーも違うし、僕も気分的に楽に打席に入ることができました」と主将の積極走塁に感謝した。さらに9番甲斐も2点三塁打を放って流れを引き戻した。

どんな展開でも足で次を狙う。柳田には足でもさらにチームをけん引してもらいたい。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

12回裏ソフトバンク1死一、三塁、柳田は右前サヨナラ適時打を放つ(撮影・梅根麻紀)
12回裏ソフトバンク1死一、三塁、柳田は右前サヨナラ適時打を放つ(撮影・梅根麻紀)