来年の野球殿堂入りに関し、注目している存在がいる。阪急などで猛打を振るい、84年には外国人初の3冠王となったブーマー・ウェルズ氏(69)である。今年もエキスパート表彰の候補者となったが、選からは漏れた。

極めて多くのオールドファンが、ブーマー氏の殿堂入りを支持している。今年の8月には、日本プロ野球外国人OB選手会(JRFPA)の招きで久々の来日。同3日に行われた京セラドーム大阪でのトークショーでは、参加者からは殿堂入りに関し質問が出た。

これにブーマー氏は苦笑を浮かべた。

「それは私のコントロールできることではないから、何とも言えない。ただ、友人のランディ・バースは選ばれているね。もちろん彼は殿堂入りにふさわしいし、私も喜んだ。ただ、彼は日本で2番目の助っ人3冠王だが、私は初だ。そこは少し意識しているね」

そこで司会が「ブーマー氏に殿堂入りしてほしい方は、拍手をお願いいたします」と促したところ、会場は万雷の拍手に包まれた。

また、私のX(旧ツイッター)で「ブーマー氏の野球殿堂入りにふさわしいと思いますか」とアンケートを実施。全223票中、212人が「ふさわしい」と回答した。得票率は、約95・1%。多くの野球ファンが、同氏の殿堂入りを願っているといえるだろう。

ブーマー氏は首位打者2度、最多安打4度、本塁打王1度、打点王4度。それに加え、チームプレーに徹する姿勢でナインの厚い信頼を受けた。一塁手として、相手走者の脚力や走塁技術を的確に把握。リードの大きさや体勢を冷静に判断し、投手に大声でけん制球を投げるよう促した。こうしてたびたびアウトに取り、投手陣から本当に喜ばれていた。ただ打つだけの存在ではなかった。

92年のダイエー(現ソフトバンク)でも打点王となったが、そこで引退した。ユニホームを脱いで31年。往時を知る人も減ってきた。野球殿堂博物館のサイトによると、野球殿堂は「日本の野球の発展に大きく貢献した方々の功績を永久に讃(たた)え、顕彰する」ことが目的だという。

外国人で初めて3冠王という歴史をつくり、10年もプレーし、主要打撃タイトルを荒稼ぎ。しかも明るく親しみやすい性格とチーム最優先の姿勢で、日本球界に与えた好影響は計り知れない。米国ジョージア州で悠々自適の生活を送る「史上初の助っ人3冠王」に、朗報は届くのだろうか。

【記録室=高野勲】(22年3月のテレビ東京系「なんでもクイズスタジアム プロ野球王決定戦」準優勝)

1988年 飛距離162メートルの超特大本塁打を放つブーマー・ウェルズ
1988年 飛距離162メートルの超特大本塁打を放つブーマー・ウェルズ